開店準備

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開店準備は事業者に極度の緊張状態を強いる。
我々としてはつくったものを引き渡せば「下船」・・・
といきたいが、それは無理だ。旅はつづく。
 
運営が軌道にのるまでは同じ舟で揺られる覚悟が必要だ。
ましてや、事業者が未知の領域に踏み出す時は
舟は荒波に揉まれることになる。だから下船などあり得ない。
 
パティスリーRAKUはただいま開店準備中である。
実は医療法人しもでメンタルクリニックが経営する就労支援のための福祉施設なのだ。
 
都市部において近年うつ病が急増していることは新聞で知っていた。
精神科で治療を終え、デイケアを経ても、それでもまだ社会復帰は道半ばだ。
 
先生曰く
「治療、ケアに加えて就労支援までカバーしないと
                治癒のサイクルは完成しない」
 
つまりは復帰までを守備範囲にしないと患者数は減らないのだ。
 
そこで就労支援のための事業に船出されたわけだ。
 
 
全体としてはホール、カフェ、キッチン、パン工房、これらが25坪にぎっしり詰まった
コックピットのような構成になった。
 
専門シェフのアドバイスのもと運営ノウハウの開発と開店準備が
同時並行で行われている。
就労訓練志望の方がすでに通われているので、ますます開店準備は大変だ。
 
 
一方で我々に求められたのは「施設っぽさ」の回避だった。
 
そのためには「ブッ跳んだ発想の核」を心に隠し持つ必要があった。
 
 
奇抜なデザインイメージではなく、
p.b.Vの日常である「ものづくりの戦場」そのものをここに持ち込もう。
そう心に誓った。
 
いろんな業種の企業や職人が力を合わせ、現代技術による屏風をつくった。
(複雑な施設機能については誠実に設計した上での話だが。)
 
シラカバやエゾシカ、UVプリント、高分子塗膜、微細ドット。
 
開店準備中の店内に色と光は放ちながら、まだおとなしく立っているが、
近い将来この店の力強い味方になってくれると信じている。
N.F
 
 
 

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