私はゲスト講評者として招かれた。
アカデミックな雰囲気とは縁遠い日常を過ごす私にとって、非常に難しい時間である。
教育現場の論理と、営利活動を行う我々の理屈との間にズレが存在するからだ。
講評者だからといって道徳的でカッコをつけたコメントを放つのは、それを言う私の方が耐えがたい。
かといって我々の日常を持ち込み過ぎたら、無法者あるいは道場破り扱いされる。
なんとかバランスを探り出そうと、密かにモガくのだが、、、
中座しトイレにいった帰り、ロビーにならんだ「出待ちの模型群」と遭遇した。
足が止まった。
希望、迷い、諦め、粘り、不安、楽観・・・複雑な感情が凝縮されている様にハッとした。
p.b.Vのオフィスと全く同じ情景に、我に返った。
これらは磨ぎ切れていない刀だ。学生はその刀を携え壇上に。。。
その刀を受けとめ切り返すのは、私自身の持つ刀意外にないはず。
バランスなんてとっている場合ではない。
p.b.Vの日常、泥にまみれて磨いだ刀を試しに来たと了解した。
で、どうなったか?
私は傷だらけ。二日たっても癒えない。
しかし中には無傷の人も。なぜなら刀を抜かなかったから。
N.F