束 縛


自分が好きな人の行動というものは気にかかるものだ。
できれば色んなことを知っていたいと思う。
しかし詮索や嫉妬ならなんとか見過ごせるが、束縛となると一気に緊張感が出る。
漫才コンビ和牛の「束縛」というネタは、危ないと面白い、キモいとカワいい、のせめぎ合いが滑稽でスリリングだ。
自己チュウ男の彼女に対する束縛内容はどれもが幼稚だがメニューは豊富だ。
それでいて妙に工夫が凝らされている。
幼稚さはもちろん計算されたものだ。

このネタに限らず、自己中心的な人格とそれに翻弄される繊細な人柄という二人の役回りは
常にコンビの軸として固定されている。
従って、人格の上で完全にズレている二人が遭遇する日常の風景をセリフの積み重ねとして切り取ることで
ネタは無尽蔵に生産可能だ。少々のミスやアドリブも、それぞれの人格に立ち戻れば
なんなく軌道修正や発展ができる。

通常漫才におけるネタづくりの大変さは、ストーリーを産み出す状況設定にあると思うが、
その都度、天から降りてくるアイデアを渇望するのではなく、
人格の完全なズレを観客に対して示し続けることで笑いが生まれることに気付いた
まさにその点に和牛の冴えと謙虚さがある。
、、、と、超人気コンビを今更分析しても仕方ないのだが・・・N.F