蔵書再建

ここ数年、当社の蔵書が瀕死状態であった。気づいてはいたが、なすべき術がなかった。
オフィスの本や資料は一体なんのためにあるのか?
そこまで問いなおす必要があるほど、見事に機能していなかった。

「日々の仕事にヤル気を与えてくれるたった一行の文章・たった一枚の図版の収蔵」
この原点が完全に見失われていた。
幸いにも2020年のpbVはコロナ禍にも多忙が続いた。
しかし、それだけに蔵書の機能不全が一気に表面化したのだ。
無節操に増える本や資料を野放しにしていたツケがまわって来たと言える。

12月の最後の3日間、蔵書再建に本気で取り組んだ。
・活用頻度の少ない蔵書約400冊をBOOKOFFに。
・必要なコンテンツが把握しやすい蔵書配置に。

気付けば、あと6時間ほどで2021年になる。
なんとか間に合った。
BOOKOFFされた皆さん、許してください。
選ばれた蔵書の皆さん、年明けからどうか我々に力を貸してください。
そして、皆様も良いお年をお迎えください。

PS
BOOKOFFの買い取り条件に「ページに線を引いた本はNG」とある。
3割くらいはダメかもしれない。。。N.F

〇△✕


大都会の片隅、古い木造の階段を上がると、デニムの端切れに埋もれながら黒縁眼鏡のお兄さんが
ミシンとアイロンを駆使し服を縫製している。
私が入っていくと作業の手を止め、コーヒーを入れてくれる。
ペンキで白く塗られた木の空間。デニムと糸とコーヒーの香りが入り混る独特の雰囲気。
お兄さんが衣服についての持論を展開する。
縫製中のものは、新旧のデニムの端切れを縫い合わせたジャケットである。
すり切れた端切れ、新しく硬い端切れ、色んな形の端切れ、
たくさんの端切れが丈夫そうな糸で打ち抜かれ一体化し、一つの形に生まれ変わる。
〇△✕という呪文の様なブランド名だ。
19歳の私はお兄さんの持論に耳を傾けるものの、目はジャケットに釘付けになる。
気の遠くなるくらいの回りくどい作業を経て作られるミシンの前の物体に夢中だ。
新しいのか、古いのか
存在感が出るのか、消えるのか
風合いがあるのか、ないのか
サイズが大きのか、小さいのか
オリジナリティがあるのか、ないのか
馬鹿げているのか、真っ当なのか

この作業場に入ったのはおそらく2,3回ほどだと思う。
ほとんどの記憶は薄れているが、出現しつつあるジャケットのインパクトは今も強烈だ。
最近の仕事において、ダメージ加工やエイジングのアイデアを思案するうち、
このジャケットが夢に出た。
表面を古く見せたり、周りに馴染ませたりするのとは、完全にちがうモノの有り様。
写経の様に単純で我慢強い取り組みから生まれる「別次元」。。。
もう、形容する言葉が尽きた。

このブランドは今も健在で、回りくどい作業を厭わないことが社是となっている。
写真もHPから頂いた。
N.F