9月19~23日の連休は、一切仕事をせず、何かを頂く時間にあてた。
まず、、ラグビーワールドカップ日本戦のTV観戦。
第1戦、強豪国南アフリカに歴史的な勝利をした試合は録画を含め6回観た。
4年間、この試合に照準をあて猛練習をしてきた成果は隅々に「表現」されていた。
第2戦、伝統国スコットランドには大敗した。
相手は元気一杯の初戦、日本は南ア戦から中三日のお疲れモード。
ヨーロッパの伝統国が主導する日程上の「不平等」は確実に影響した。
そして、連休中の次のテーマは「不平等」。
「21世紀の資本」の著者トマ ピケティの2時間の講義録画を観た。
文豪バルザックの小説に出てくる、成金願望の男たちの結論
「高給取りになるより、金持ち女と結婚せよ!」
が講義のツカミであり、骨子である。
乱暴にまとめると、、、
世界の金持ち上位10%の人口が、富の50-70%を資本として貯めて運用している。
一方、下位10%の人たちには5%の蓄財しかない。
蓄積された富を如何に再分配するかはマルクスの時代からの課題であったが、
確かなデータがなかったので、不平等を証明することは出来なかった。
ピケティは過去300年の各国の納税記録を収集し
データ化することで、封建社会から現代に続く格差の構造を
グラフィックにそしてシンプルに「表現」した。
なぜ今まで誰も過去の納税記録収集を行わなかったのか?
経済学はそれを歴史学の仕事と考え、
歴史学はそれを経済学の仕事と考え
ていたからだという。
石川啄木は詠んだ。
はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢっと手を見る
バルザックも啄木も、データ解析なしに格差問題を簡潔な言葉で
「表現」していることになる。
最後に、連休中の読書
ラグビーや建築に関するマニアックな本ばかりに偏ってしまったが
読書のテーマは「表現」。
・コスモスと方法(前川國男)
・空気感(ペーター ツムトア)
・吉阪隆正とルコルビュジェ(倉片俊輔)
ラグビーや建築の専門書は、その分野の背景や予備知識がないと
まさに「狂人の書」。
妄想や行動が混然一体に、これでもかと「表現」されている。
しかし、心に残るものと残らないものがある。
写真は「コスモスと方法」にある、50年前に描かれた教会の構想。
紙とインクで世界を変えてやろうという血気が簡潔に「表現」されている。
SWの宿題を総括すると
― 勝ちは、証明。
― 負けは、可能性。
― 不平等は、前提。
― 表現は、簡潔。
NF