脱力モード

脱力モード.jpg努力目標達成のために、追われて、焦って、絞って、粘って、捻り出して、、、

我々と同じそんな日々を送っておられる皆様、こんにちは。

 

本気モードを維持し続けるのは大変なことだ。

いくつかの重いプロジェクトがズレながら継続している状況では

つねに本気モードを強いられる。

そんな状況で苦戦している我々は本気モード維持の秘訣を求め、山形市の天童木工に行った。

この会社は薄ベニヤの3次元曲面加工の高い技術をもっている。

この技術を駆使して、戦後の日本の家具デザイン界を世界レベルに押し上げた企業である。

 

戦争中、米国軍に対し日本の戦闘能力を水増しして見せるために

ベニヤを曲げて、ダミー戦闘機を製造していたのが、

今日の技術の芽となったと伺った。

 

それ以来、本気モードが維持されてきたこの企業のショールームには、

戦後日本のデザインと木工技術の格闘の跡が刻印されている。

つまり本気モードが70年も維持されているのだ。

 

超有名家具の製作秘話の数々を腹一杯に堪能できたが、

本気モード維持の秘訣には触れることが出来なかった。

 

また日を改めてじっくり再訪したい旨の挨拶をし、玄関を出た。

そこで目の前に現れた荒削りの木製の長椅子。

そのノッソリとした風貌に、思わずニヤッとしてしまった。

もちろん製品ではない。

庭のチョットした設えのために気軽につくられた感じがする。

 

しかし、本気モードの凄腕が脱力モードでつくった一品の発するオーラがあった。

気取りや頑張りは一切なく、緊張感ゼロの風貌。

コロッとしたプロポーションやムチッとした脚は、この企業の製品とは

対局の形状をしている。

 

完全に脱力モードでないと、つくれないデザインだ。

 

本気モード維持の秘訣は?

という難問を抱え込んだ私に向かって、その長椅子はいった。

「本気も、休み休みにしなされ。」

 

長い割に出口の無い話であるが、今回はこんなところで、勘弁しておきたい。

N.F