我々の業務において、一年間というサイクルに特別な意味はない。
だけど「ククる」ことは大切だ。
ただし、ダレた総括にならないために視点がいる。
それは「入力」。つくるために何をチカラとするかが我々には重要なのだ。
では、はじめてみたい。
社 長:今年、我々には何が「入力」になりましたか?
副 社:一連の工場取材。
社 員:そうですね。はじめて触れる生産現場、刺激的でした。
社 長:たくさんマワッタなー。
副 社:ステンレス加工、森林組合、ベニヤ、断熱材、建具、鉄工・・・
社 員:木工、特殊印刷、中央卸売市場。
社 長:どれもが刺激的な「入力」だったけど、何が生まれましたか?
副 社:質問力。工場長を質問責め、みたいな。
社 員:私は「入力」の凄さにおされ気味で質問が「出力」できませんでした。
社 長:まぁまぁよろしいやないか。来年気張りなはれ。他には?
副 社:押しかけた工場や企業と結果的に仕事が生まれた。これは確かな「出力」。
社 長:机では発想不能の技術的なアイデアが、生産現場からのヒントで形になった。
社 員:デザインセンスだけに頼らない設計過程がとても新鮮で明快でした。
社 長:世の中には眠れる技術がまだたくさんあることを実感しましたね。 他に?
副 社:東京のシェアハウスの事例取材。
社 員:かんかん森、東電+リビタ。共同生活の生々しさを感じましたね。
社 長:東京と北海道で住宅事情は違うから、これは単純に「出力」には直結しにくいね。
社 員:void巡礼のための古地図や写真のトレースも強烈な「入力」でした。
副 社:なんか毎日、筋トレみたいに地道な作業だった。
社 長:void巡礼については当初「出力」は期待して無かった。
手と頭の筋トレ。ラグビーの基礎練みたいに。
副 社:でも、公共プロジェクトにおいて「出力」しはじめた。
社 員:設計コンセプトや政策提言として少しずつ育ちはじめましたね。
社 長:大切なことは手から心へ、そして出力につながるのでしょう。まさに写経。
社 長:日本の最北、稚内の方と仕事が始まったことも「入力」。
副 社:街の成り立ちや雰囲気、人々から貴重な「入力」を頂きました。
社 員:void巡礼の筋トレが、p.b.Vの感度を上げてますね!
社 長:色んな街の建築と「冴えと謙虚さ」で向き合いたい。今年の実感です。
副 社:10年前につくったblanc cafeの改築依頼も励みになりましたよね。
社 長:10年前に「出力」した建築が、今度は「入力」となる。建築の仕事として非常に魅力を感じるよね。
社 員:出来上がったら、伝説のパスタとガトーショコラが食べたいでスーっ!
一 同、深くうなずく。
その他、公開できない進行案件も多々あるが、いえることは
今年のp.b.Vの仕事は「入力」にエネルギーを投じたということである。
「入力」オーバー気味の現状は、きっと来年には確かで力強い「出力」に転じることだろう。
それを社員一同、信じることにしている。
しかし、山積する年末業務を「出力」しないと、歳は暮れてはくれません。
キビシーいっ!
今年一年、day by dayを読んでいただいた皆様にも、2011年が良い年でありますように。
2010年 〆