
私「なんで、こんな寒いとこにきたん?」
彼「コウカンで来ました。3ヶ月ほど前に来ました」
スペイン人のGEくんは交換留学生としてバレンシアから札幌にきて卒業設計に取り組んでいる。温暖な街から雪の降る街へ。真冬のスタジオで故郷バレンシアの開発プロジェクトに挑んでいる。
バレンシアの街の地下にはローマ帝国がつくった水路が今もねむっているという。GEの提案では、街中の広場に美術館をつくり、地下はパーキングとなっている。水流がそれらを上下左右につなぎ、空間的な活力を与える素として考えられている。
GEが信じているのはまぎれもなく、水路である。2000年前より都市に潤いを与えて続けてきた水の力を信じているのだ。
美術館やパーキングという今日的な都市機能の在り方を破壊して、活き活きと時空を跨いだ案になるか。
それはGEがどこまで水の力を信じられるかにかかる。 私はそれを信じることにした。
「でも、寒いやろ?」
N.F