before /札幌市庁舎ロビー(city hall robby renovation / 2010)

before 1.jpg物事にはbefore/afterがある。

変化についてのbefore/afterも重要だが、

「在るか無いか」についてのbefore/afterの違いは大きい。

この写真は田本研三という写真家が撮影した1871年の札幌の建設風景。

なんと、何にもない原野にトンカンつくった街なのである。

これを「創造的」と言わずしてどうする。

 

我々が札幌市庁舎ロビーのリノヴェーションの手がかりに飢えていた時に

この写真に出くわした。

それで、ずーっとこの風景を見続けていたわけだが、、、

before2.jpg
この風景に入り込み、街をつくっている気持ちになってみると

ある疑いようのない事実に思い当たった。

 

開拓労働者はどこで休憩していたのか?

おそらく、大きな資材を立て掛けたり、寝かせたり。

その傍らで、は休憩していたに違いない! 

 

その実感がこの絵に化けた。

これが現代都市の中に、beforeの風景を創り出す試みに発展していった。

音 /カムオンホール(clinic+day care+concert hall / Sapporo / 2007)

音1.jpgこの空間のテーマは「光」。。。のはずだった。

それがいつの間にか「音」になったという、こわい話をしなければならない。

 

この建物は精神科のクリニックとデイケアからなっている。

デイケアのスペースは中庭と高窓に挟まれており

街中の立地を感じさせない配置になっている。

空間使用の性格上、「光」を部屋全体に柔らかく拡散させることに苦心した。

音2.jpg

光の拡散について研究を重ねている時、この空間をコンサートにも使いたいことを告げられた。

光は原始的な方法で予測できても、音は無理。

しかし、音響設計の専門家をプロジェクトに入れるお金も時間もない。

 

不安で、不安で、、、

しかし、泣き言もいってられないので、次の仮説にすがることにした。

―音も光も波。光を拡散できれば、音も拡散するにちがいない。

 

この暴力的な仮説に従い、光源を拡散する天井のカタチを考え出した。

音3.jpg

高窓の光を両サイドの「八の字型」の天井と床の水平面でできる三角形に当てながら、

減衰拡散させる。

音4.jpg

この様な断面になった。

音の拡散なんて、本当はどうなるのか全くわからなかったが、

そんなことは、決して口には出さないのであります。

編み込む  /オアシス(senior housings / Hokkaido / 2015)


編み込む.JPG

鉄筋は「組む」という表現を使うが、実際は「編み込む」に等しい。

この5階建ての各フロア600㎡を支える壁の厚みは18センチ。

この中に縦、横、斜めの鉄筋が交差する。

それが上下左右からくるので、壁の交差点の混雑は大変なものだ。

さらに厳しいのは鉄筋を保護するコンクリートの厚みを壁の両側に3センチずつとるので、

実際は12センチの隙間に複雑な鉄筋を「編み込む」という神業が必要だ。

しかし図面では整然と表現できても、実際には簡単ではない。

 

巧く行かないところも多々あるが、それを「図面通りに」などと指示だししててもはじまらない。

原則は原則、現実は現実。

これを冷静に分けて考え、現場の中で空間の大きさを感じながら、

それを支える鉄筋の気持ちになりながら、矯正か妥協かを判断するしかない。

 

なんて、腕組みをして小難しい顔をしてたら、鉄筋が飛んでくるのでご注意を!

 

 

街角 2  /kro 丹後 (Vacation meeting / Kyoto / 2015)

階段「室」2.jpg居心地のよい街角には、いい本屋そしてカフェ。

(かなり能天気な意見だ!)

 

ということで、本棚をつくった。 

この建築のベランダの手すりだった北山杉の磨き丸太を柱にした。

潮風と紫外線でネンキが入っている。

 

その反対側には、テーブルとベンチと兼ねた仕掛け。

階段の傾斜も利用して、寝っころがることもできる。

arflex社と開発中だ。

 

これで本屋とカフェが開店の運びとなるわけだが、

ビジネスや仕事の、息抜きと発想の場として機能するだろうか?

いや、機能して頂かないと困る、、、

街角 1  /kro 丹後 (Vacation meeting / Kyoto / 2015)

階段「室」1.jpg
二つの階段が交差するところに出来た3畳ほどの踊り場。

 

別荘建築全体を「たすき掛け」につなぎ、

部屋から部屋への移動に遊び感覚を与え、同時に脚力も鍛える、、、

そんな意図はある程度受け入れられ、そのように使われた。

 

しかし、上下左右に解放された「街角」のような空間の潜在力を

もっと、もっと引出したいと考え20年が過ぎた。

 

 

 

個人所有の別荘から、

ビジネスミーティングのための賃貸スペースにリノヴェするにあたり、

そのチャンスが訪れた。 

 

 

1.5階分の高さから降り注ぐ自然光や音の反響を、脳の解放と覚醒に活かせないか。。。

 

世界中のイキイキとした街角の様に。

石庭 1  /札幌中央図書館 (Library renovation / Sapporo / 2014)

プロトタイプ.jpg京都竜安寺の石庭に座し、観想に耽る人は多い。

直線的な縁側には人がビッシリだ。

ある衝動が芽生えた。 

 - 庭に降りたい。そして石にすわらせろ、、、

 

こんな衝動からコンセプトが生まれることもある。

私の網膜には、確かに石庭の左端に具体的なカタチが映った。

ソファスケッチ.jpg

と、ここまではよかったが、この落書きを形にするのが大変だった。