ロビーの片隅に都市札幌の構想者佐賀藩士島義勇(よしたけ)の銅像が立っている。
銅像の眼差しは、構想のために自ら登った円山の頂部に向けられている。
実際に建設された大都市の真ん中に立ち、構想時の自分を見返すという複雑な関係性になっている。
三角形のタイルが貼り巡らされた床を原野に見立て、そこに開拓の生活基点を配するのが
コンセプトである。
まず、開拓キャプテン島の足元を照らす行燈 兼 コーヒーテーブル。
島自筆の文字が開拓コンセプトとして彫り抜かれている。
背後には松明(たいまつ)兼カウンターテーブル
その他、情報やコミュニケーションのための生活基点
このプロジェクトを総括すると、殺風景な市庁舎ロビーを、ユーザーや職員のための
居心地の良い中間領域として機能させるために、
食事や休息や談話のために必要な機能を効率よく点在させる試みである。
本体の構造や設備や仕上げにはノータッチで、工場から運び込まれて
わずか2日間で組み上げられた。
実際の原野開拓に負けないくらいのスピード感が、デザインの方向を決めている。