「痛いの、飛んでけ」の設計 /奥田歯科診療所(dental clinic/ Higashi-osaka/ 2006-2018)

歯を削る音や痛みは苦手だ。子供の頃の拷問の様な記憶がよみがえる。

設計のテーマというのは、つねにわかり易く、つねに見失わないくらいの方がいい。
ということで、ミもフタもない表現であるが、
このプロジェクトのテーマは「痛いの、飛んでけ」の設計。

部屋の輪郭や光のあつかい、素材や色のバランスなどの案出は
「痛いの、飛んでけ」「痛いの、飛んでけ」とつぶやきながらの作業となった。


壁と天井の境界、部屋と部屋の境界、自然光と照明の境界、素材どうしの色の境界
あらゆる境界をボカして、痛みの飛んでいく道筋をたくさんつくった!
つもり。
ちなみに治療ユニットのうがい用のボールの色が赤いが、それも「痛いの、飛んでけ」
のためのクライアントのナイスアイデアである。

ブラタモリ風街並み解釈 /奥田歯科診療所(dental clinic/ Higashi-osaka/ 2006-2018)

東大阪市の若江岩田、古風な街並みに置かれる歯科クリニック。

敷地は道路に対し約30度の角度を持っている。

従って敷地は台形になる。

可能な限り沿道に顔出しするように考えると、

台形の敷地に台形の建物をスッポリはめる。。。


ここで沿道の建物に目をやると、道と建築のマッチングに苦戦の跡が伺える。

上から見ると、なんと道路と敷地の角度が様々だ。これが苦戦の原因だ。


なぜ、こんなことになっているのか。。。

さらに上から目線になってみると、、、


ここからナレーション

7~8世紀の頃、畿内(京都、大阪、兵庫、奈良)には5つの有力な国がありました。

山城国(京都府) 和泉国(大阪南西部) 摂津国(大阪府北中部兵庫県東部) 河内国(大阪府東部) 大和(奈良県)

奥田歯科診療所がある辺りは河内国の中心で、周辺の国を結ぶ街道の結節点にあります。

そして生活インフラである菱江川の蛇行も町割に影響を与えているのです。(現在は緑道になっている)

昭和になって国道や幹線道路が東西南北に真っ直ぐに惹かれることで、旧街道や川の蛇行線との間に

より複雑な町割りが誕生したのです。

その街並みを歩いてみましょう。



いかがですか?

かつての街道の面影や迷路の様に連続する家々が現在の若江岩田の特徴であり魅力なのです。

ブラタモリ河内国編 終わり。

完全に苦戦の背景を納得し感心した我々は、角度を持った道と建築のマッチングと向き合う。