行列する柱 /松藤医院(internal medicine clinic/ Iwamizawa/ 2018-2019)

これは上層階が高齢者施設となっているビルの1階に内科クリニックをつくる仕事である。
この部分は昔、別のクリニックとして使われていたが、
今回は全く違う経営方針であるため、ほとんどを壊すことになった。

昔のクリニックは1階面積の半分を使っていた。(グレー部分。)

 

新クリニックは1階面積の7割を使うことになる。
課題は行列する柱の合間を縫って、クライアントの三つの要望を間取りに落とし込むことである。
①機能的な診療動線。
②患者ファーストの待合。
③未来への地域医療のタネ空間。

平面計画はエラーの連続だった。
ところで我々は工事費を安くするため、旧医院時代の水回りと防火区画の一部を残していた。(赤いライン)
私たちはこれが行列する柱を克服するための「すがるべきワラ」だと直感した。

完成したプランがこれである。

赤い部分が新たなクリニックのプランニングの重要な手掛かりになっていることがよくわかる。
まあ、今となって自慢げに言えることではあるが。。。

重心/小林牧場ミルクプラント(Milk processing plant/ Ebestu/ 2018- )

フットボール場20面。
奥に見えるのは太古の森。
右手木立の向こうは、前地主がつくった酪農建築群が隠れている。

中を覗いてみると、煉瓦、木、鉄、コンクリートを駆使した迫力の無人空間が佇んでいる。

この広い土地にヨーグルトやソフトクリームの製造プラントとショップをつくるのだが、、、
敷地が大きすぎて、建物配置がむずかしい。

腐心の末、太古の森を遠望し、片側に酪農建築群をチラ見させ、
それでいて道路からも発見できるという絶妙の「重心」が見つかった。
その重心の効果を引き出すような建築上のアイデアが出るかどうか。。。

野菜で賑わえ!/旧久保内中学校工場化計画(Onion processing plant/ Sobestu/ 2017- )

平成28年3月 壮瞥町久保内中学校は11名の在校生とともに70年の歴史を閉じた。
学生は統合先の学校に移り新学期を迎える。
残されるのは無人の大きな校舎群と校庭。
全国の地方都市で頻発する状況だ。
人口減少する街において、こんなに大きな空間を再生するのは容易なことではない。

しかし、もしその大きな空間が人ではなく地元産の玉ねぎで賑わったらどうだろう。。。

昔は木造だった。

建替えられた、鉄筋コンクリートの標準的な校舎と鉄骨で出来た体育館

閉校イベントとして「歴史」と「感謝」が展示され、今もそのまま残されている。

搬入-洗浄-剥き-貯蔵-加工-出荷のラインを
教室群と体育館と増築棟にまたがって計画するのは非常に難しい作業だが、
「頭数」ではなく 「玉数」で空間を再生させるという事業者の発想に貢献したい一心である。

any us /緑と語らいの広場(complex/ Eniwa/ 2017-2018)

2018年4月に開館した「恵庭市 緑と語らいの広場」の名称は公募により「えにあす」となった。
「恵庭の明日つくる場所」という意味が込められている。
開館1年弱で約40万人もの方が訪れている。

勉強し、汗を流し、本を読み、コーヒーを飲み、談笑し、心身のケアを受けるのである。
そんな人たちが一つ屋根の下に集うのである。

「えにあす」という固有名称は私の中では
any us = 誰でも
という一般名称として、心の中で読み替えている。





















This is the any us.