・広く → 大きな軒庇をつくるため
・低く → 砦のような既存園舎を引き立てるため
・変形 → 周囲の大木をかわすため
・折る → 雨水を集めて、森へかえすため
以上のような条件をカタチにしたら、こんな風になった。
全体は中央の溝に向かってゆるく傾斜がついていて
そこに雨水を集めて、左端から地面にもどす。
輪郭が変形しているのは大木や既存園舎との位置関係を考えた末の結果である。
右手の台形状の窪みは、ハシゴをかけるためのものである。
秋、山盛りの落ち葉を拾いにいくからだ。
毎度のことながら、絵に描くのは簡単。
しかし、色んな方向に角度をもった屋根の鉄筋を組むのは大変だ。
屋根の輪郭と建物の壁の輪郭も違うから、余計難しい。
わたし、描く人。
あなた、つくる人。
不遜だが、鉄筋を組めない我々とってはそれが現実だ。
祈りながら上がった屋根の上では、本当にキレイに鉄筋が組まれていた。
現場監督も私も、工芸品の様な仕事に
「コンクリート打つのやめて、鉄筋だけの屋根にしましょう!!」
「イイ、イイっ。それがイイ!」
という話になったのだが。。。
もちろんそんなコトしたら、二人ともクビになる。