自由の森幼稚園は鉄道と住宅地に挟まれた民有林の中に建っている。
森という言葉は例えや願望ではない。
多角形の園舎は本当に木々に埋もれるように建っている。
我々の任務は幼稚園の隣に保育園を増設することなのだが、
環境へのダメージを最小にしながら建築物をつくることは本当に難しい。
園舎の横にある園児の遊び場に何とか建てることが可能となった。
しかし全ての樹木をそのままにして建物をつくることはどうしても出来ない。
写真左端の広い枝振りの1本を移植をすることで何とかまとまったスペースが出来た。
問題は右に見える列柱の様な4本の樹。
写真ではわからないが、樹の向こう側は沢に向かって落ち込む急斜面になっている。
根は急斜面の崩落を防いでいるに違いない。
樹木と斜面が力学的に拮抗する現状に対し、どう建てるべきか。。。
実感のある手掛かりが必要だ。
それからというもの、樹を見たら根元をみる習性がついた。
しばらくは、「木を見て、森を見ない!」期間が続くのである。