ひとつはカフェ食堂。
ひとつは住まい。
ブランは白という意味なので、どちらも内外観のテーマは「白」だ。
そして主(あるじ)が白に込めた思いは、「簡素さ、普通さ」
外壁は少し荒目のモルタルに白を。
内壁は板目やフシのある杉板に白を。
ホームセンターで廉価で大量に売っている、あの普通すぎる白いペンキで
何度も何度も丹念に塗り込めた。
白を介して滲み出す手の痕跡や年輪が、人と空間をつなぐ
触媒になると実感してから、迷いなく漸進することが出来た。
カフェ食堂は、こんな感じ。
住まいはこんな感じ。
普通の白が自然環境や料理、そして生活調度の背景になっている。
細工の効いた、高価な白は小さな村には不似合なのである。