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これが、L字型の細長いダイニングの立面の完成形である。

わずか2.7mという限られた高さに、数種類のゆるーいカーブを入れて

共用廊下に沿って'Room'を切り取った。

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外出する機会が少ない人生の先輩方を如何に「密閉感」から開放するか?

この問いに向き合った半年が、包み込みと解放を拮抗させた

このワンカットに集約されている。

 

 

解像度の悪いスケッチをまずは模型に。

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立体にしてみると、、、

限られた高さの中に、天井、窓、家具、照明、設備、を納めるという技術上課題が明らかになった。

また、天井と、端部の受け材の形が空間の質には重要だと実感した。

 

その後、数か月の迷走の末、ようやく形が見えてきた。

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 カーブのある天井から連続する端部の間仕切り家具。

大きな窓を、その天井で切り取るアイデア。

上下配光の照明器具を垂らし、天井を反射板として使うアイデア。

など、など。

天井+窓+家具→'Room' の、もっとクッキリハッキリの例を求めて

10年前のメモをあさると、、、

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南仏の観光地カルカッソンヌの城塞で出くわした空間で、

リラックスのためなのかどうかは不明だが'Room'の切り取り方は明快だ。

内部に包まれる安堵感と、外部に解放される心地よさが拮抗してくる。

 

このスケッチを手掛かりに、天井+窓+家具→'Room'を

L型の長いダイニングに当てはめると、、、 

 

window room 4.jpg大きな窓に面して、カーブのかかった壁と天井が20人ほどの集団を包むような姿が現れた。 

先述の城塞の内部をそのまま引き延ばしたような感じだ。

まだまた、ツッコミどころは満載だ。

 

 

オアシスは各階650㎡、5階建てのシルバーハウジングである。

全体はコの字の平面形で、内側の窓際にそって庭を囲むように

L字型の長いダイニングがある。

 

外出する機会が少ない人生の先輩方を如何に「密閉感」から開放するか?

これが「問い」である。

 

手掛かりを求めて、記憶をたどると、、、

window room 1.jpgクラシックな事例。奈良ホテルのロビー。

高級老舗ホテルのリッチ感はさておき、窓と椅子を一対にしている。

内部に居ながらにして、気持ちは外部に向き、長時間座れる。

でもこれだと、窓と椅子とテーブルがあれば、ハイ終了となる。

 

もう一つの例。

window room 2.jpgこれもクラシックな空間。軽井沢万平ホテルの接続廊下。

ここは窓際の天井を低くして、廊下の途中に'Room'を切り取ろうとしている。

 

天井+窓+家具→'Room'という関数が見えてきたが、

まだ輪郭がボケやけている。 

 

 

 

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鉄筋は「組む」という表現を使うが、実際は「編み込む」に等しい。

この5階建ての各フロア600㎡を支える壁の厚みは18センチ。

この中に縦、横、斜めの鉄筋が交差する。

それが上下左右からくるので、壁の交差点の混雑は大変なものだ。

さらに厳しいのは鉄筋を保護するコンクリートの厚みを壁の両側に3センチずつとるので、

実際は12センチの隙間に複雑な鉄筋を「編み込む」という神業が必要だ。

しかし図面では整然と表現できても、実際には簡単ではない。

 

巧く行かないところも多々あるが、それを「図面通りに」などと指示だししててもはじまらない。

原則は原則、現実は現実。

これを冷静に分けて考え、現場の中で空間の大きさを感じながら、

それを支える鉄筋の気持ちになりながら、矯正か妥協かを判断するしかない。

 

なんて、腕組みをして小難しい顔をしてたら、鉄筋が飛んでくるのでご注意を!