p.b.V: 2016年4月アーカイブ

森へのトンネル0.jpgこれは工事中の打合せに使ったイメージカット。

左が既存幼稚園。多角形の砦のような建築。

右が我々が関わった保育園。

真ん中の渡り廊下で接続されている。

裏側に深い森がある。

森に抜けるために渡り廊下はブリッジになっている。

黄色い壁の間が階段とトンネル。

森へのトンネル.jpg

このプロジェクトの難しさはブリッジとトンネルに集約されている。

傾斜、木立、既存園舎の基礎を縫い合わせるように施工するのは至難だ。

階段の勾配や壁のカーブをクライアントや施工会社と何度も検討し、施工にこぎつけた。

森へのトンネル②.jpg

ブリッジ上の廊下は小さな部屋の様になっていて

一方の窓からは階段が、もう一方の窓からは森が見える。

廊下の向こうには保育室に入る扉が並んでいる。

森へのトンネル③.jpg

保育園の高さは出来るだけ低くし

背後に砦や森が潜んでいることを感じさせる様にした。

 

設計や施工チームがつくったのは生まれたての子供。

今はぎこちなさがあるが、やがては森が秘める力や園の皆さんの手により

成熟した環境に育つだろう。

ついにその日がやって来た。

構想半年、製作1か月。

木のDOKANが工場から幼稚園に運び込まれた。

ドカンに夢中5.jpg

可動出来るように8基のピースを組み立てる構造になっている。

そして出来た。。。

 

ドカンに夢中6.jpg

丁寧に接合され磨かれた堅木のパネルの質感は説明しがたい。

そして全体からはまるで大木丸太をくり抜いた様なオーラが出ていた。

色んな角度に開けられた穴からは、こどもの絶叫や這いずり回る姿が漏れ出す

デザインになっている。

 

構想は長く、製作は短く、設置は瞬時、、

子供の絶叫は未来永劫。

 

庇と縁側0.jpgこの絵は保育園のイメージソースとしてはピンと来ないかもしれない。

しかし、長いテラスとそれを守る大きな庇というテーマにはピタリとハマった。

我々は内外のデザインや技術監理のすべてを「庇と縁側」軸に整理した。

 

そして、工事用の囲いが外れて、全貌が現れた。

庇と縁側①.jpg

約50mの庇と縁側だけの外観。

将来はここが園庭の舞台の様に機能するだろう。

 

横に長いということは、熱膨張による伸縮の影響を受けやすい。

その伸縮を吸収するように窓や目地を配置した。

その結果、イメージソースであった三十三間堂の雰囲気により近くなった。

庇と縁側②.jpg

左は縁側の空間。右は工事中の屋根。

雪解けの水を縁側に落とさないために、大きな屋根をゆるいV字に折り、

中央に排水の溝をつくっている。

 

そして、この屋根の下はたっぷりとした遊戯室がある。

庇と縁側③.jpg

右側のカーブする木の壁の中には、キッチンや保育室が入っている。

 

稲妻模様のライトは、この空間をパワースポットにするための工夫である。

庇や屋根とカーブする木の壁をつくるためには、職人さんたちの技術と閃きが必要だった。

 

つくった人たちの「熱」が稲妻の様に、子供たちに伝わりますように。