p.b.V: 2015年8月アーカイブ

ヴォーリズへの旅2  ①.jpgこぶりのチャペルに入ると、堂内は神々しい黄金の光に包まれていた!

黄金はステンドグラスと壁面の色の掛け算で出来ているのはわかった。

さて壁面の石の産地は? なんてマニア風なことを考えていたら、見事一蹴された。

 

石の空間にしては、ヒヤリとした硬質な感じがない。

むしろ、暖かい。近づいてみると、、、

ヴォーリズへの旅2 ②.jpg 石に見えていた壁は、土と砂とセメントで出来ていた。

目地も凹凸も左官職人のコテによるものだった。

 

ヨーロッパの伝統的な空間が、日本の職人技術によって再現されていたのである。

続いて前方に眼を向けると、

ヴォーリズへの旅2 ③.jpg

アーチ奥の説教壇には不思議な窓と小さな十字架が見える。

 

ヴォーリズへの旅2 ④.jpg

7本の蝋燭をモチーフにした窓と、怪しく光る十字架。

ヴォーリズへの旅2 ⑤.jpg

十字架は真鍮板で出来た弁当箱のようなカタチのものだった。

 

数分間の体験を整理すると、、

石に見える砂、 蝋燭型の見慣れない窓、 弁当箱十字架、、、

 

ここでヴォーリズがどんなヤツか理解できた。

柔軟性。冒険心。遊び。 

 

戦後の資材不足の中、キリスト教の極東流布というミッションを日本の伝統技術の助けを

借りて達成するというパラドクスを生き抜いたナイスガイ、、、

 

再び一枚目の写真にもどっていただいたら、礼拝堂に見えていたものが

茶室の様な柔らかい空間に感じられるのではないだろうか。

つづく。

階段とソファ3-1.JPGカタチにするのに1年もかかった。

東京から発送されたソファピースは、野を超え山を越え

ようやく辺境の地にたどりつき、予定通り寸分狂わずに組み立てられた。

 

完成したカタチを見れば、最初からこれしかないような普通さ。

突出することも、埋没することもなく、至って普通。

しかし、「普通」に到達することの難しさは言葉では表せない。

 

「普通」は「凡庸」でもなければ「通俗」でもない。 

もちろん「普遍」でもない。

他でもないこの場所、この空間に最初から「普通」に存在すること。

 

出来てからゴタクはいくらでも言えるのだが、出来て心底よかったと思う。

階段とソファ3-2.JPG「普通」に至るまでには、数多くのエラーが必要だ。

そのためには「問い」が存在しなければならない。

最初は鼻歌でお絵かきしているのだが、すぐに手はとまる。 

やがては何に向かってのエラーかさえ判らなくなる。

所謂「煮詰まる」という状態。

脱出の手がかりは「問い」を持っているかどうか。

 

「階段の傾斜を活かす」という問いに対する私の普通の答えは

arflex社によるこのシンプルな製作図に凝縮されている。

 

p.b.Vの妄想のために高い技術と知識を、いつも惜しみなく提供して頂いているarflex社に

心より感謝しております。

 

階段とソファ3-3.jpg