Kro 丹後: 2015年7月アーカイブ

この日はアルフレックス社にソファーの完成形を確認に行った。

川崎の大きな物流倉庫内にあるリペアルームの扉を開けると、、、

階段とソファ2-1.jpg

黒くてスレンダーなフレームが横たわっていた。

脚は不等辺5角形を組み合わせたカタチになっている。

このフレームにスラブウレタンで出来た床が乗る。

階段とソファ2-2.jpg

パールトン防水加工された布で作られたカバーは

高い縫製技術で出来ており、全くの緩みや弛みがない。

 

そしてアルフレックス社の技術の高さはステンレスの脚にも現れている。

階段とソファ2-3.jpg

 

これはシルバーメッキではない。

ステンレス鋼を溶接して磨き上げている。

鏡の様に周囲の景観を写し込み、自らの存在は消えている。

東北の某ステンレス加工会社でつくられている。

 

金属が冷たいという意見もあるが、人の手によりここまで

丹念に磨かれたら、温もりさえ感じる。

 

このソファは間もなく川崎から数百キロ離れた北京都は丹後に運ばれて

短時間の内にセットされる予定だ。 

 

階段の傾斜を心身のリラックスに活かせないか?

この問いは私を力強く導くとともに、試練を課した。

 

まずは手早く頭の中身を絵にした。

まるで巨匠のファーストイメージの様なものになってしまった。 こらアカン、、、

 

階段とソファ1.jpg  

体を包むための3次局面。複雑な骨組。困難な縫製。

課題は山積。

製作パートナーのアルフレックス社の反応もシブい。

これはモノづくりの過程としてはよくあること。

謙虚さと冴えが欠落しているのだ。

 

さて、それから半年たったある日、謙虚になった。

「階段の傾斜を活かす」という問いに再び向き合える状況になった。

(半年もかけんな!!)

階段とソファ2.jpg

板を傾斜に沿って折った様な形になった。

しかし階段の傾斜と同じにすると少し角度がキツい。

心身のリラックスのためには、もう少しゆるくしたい。

 

従って、微妙な角度に追従するような脚のアイデアが必要だ。

角度がどうなっても、プロポーションを気にせず、

自由気ままに納まってくれるカタチ。

 

階段とソファ3.jpg

アイデアなんてどこからやって来るかなんてわからない。

カーオーディオのスピーカーが振動に追従するため5角形メッシュに

なっていることを知ってから、私の人生に光が射した。(笑)

 

脚は不等辺5角形で、、

 

謙虚さを得るには時間がかかり、

冴えを得るには偶然が不可欠。

 

つづく。