札幌市中央図書館の最近のブログ記事

中央図書館  1Antonello_da_Messina.jpgある妄想がこのプロジェクトを導いた。

 ― どんなに大きな空間も「点の力」で全体を活性化できる。

点とは、建築より小さいく家具より大きな存在。

 

画は「点」のイメージソースとなったもので、15世紀の僧の書斎である。

(St.Jerome in his study by Antonella da Mesina) 

札幌中央図書館のロビーと閲覧を合わせた面積は6000㎡であるが

ツボを抑えて的確に「点」をデザインすれば、利用者の感性を刺激し

ライブラリアン(館員)魂に火がつくと考えた。

 

 


このプロジェクトでは多くの家具がつくられた。

石ころみたいなもの、切り株みたいなもの、塔のようなもの、

柵の様なもの、部屋のようなもの、、、

全てが、とらえどころのないアイデアからはじまり、実体になった。

その途中の段階に位置し、輪郭や寸法に確信を与え、

館員や職人を鼓舞し、発注者の期待をあおり続けたもの。

それがモデル。

題して、モデル展! ご覧ください。 

模型⑬.jpg

模型⑭.jpg 模型⑪.jpg 模型⑩.jpg 模型⑨.JPG 模型①.JPG 模型②.JPG 模型③.JPG 模型⑤.JPG 模型⑥.JPG 模型⑧.JPG 

 

利用者の欲求、館員のリクエスト、事務方の目論み、製作条件、コスト、、、

目もくらむほどの複雑な情報が封じ込められたもの、それが図面。

題して「図面展」。ご覧ください。

図面①.jpg

図面②.jpg 図面③.jpg 図面④.jpg 図面⑤.jpg 図面⑥.jpg 図面⑦.jpg 図面⑧.jpg 図面⑨.jpg 図面⑩.jpg 図面⑩-2.jpg 図面⑪.jpg

モデルから製作へ。

黙々と作業に没頭する職人。

こんなん出来るかっ!的なトーンの職人。

冷静に製作方法を捻り出す職人。

事件は工場で起こっている!!

題して「工場展」。 ご覧ください。

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図書資料は分類基準が決まっている。

資料を探しやすい反面、知らない本に偶発的に出会うワクワク感に欠ける。

 

最近、街の本屋さんでは分類の垣根を無くし、本の配列をシャッフルすることで

ワクワク感を演出している。

一方、公共図書館では資料へのアクセスが重要なので、

ツ〇ヤの様には行かない。

 

しかし、今回のリノヴェーションでは、木立をモチーフにした本棚をつくり

部分的にシャッフルを試みた。

  Trees2-1.JPG医療、工学、趣味など多ジャンルを隣接させると、相乗効果があるらしく

貸出率が跳ね上がった。

書店ではないのですぐに補充はできないから、木で出来たダミー本をつくって

開いた棚を埋めるという異常事態になった。

TREE 大.jpg

Tree 3.JPG

いくつかあるリノヴェーションの目的の一つは既存の閲覧室に新しい機能を加えることだ。

たとえばこの写真。今後増える電子図書をプロモートするスペース。

タブレット閲覧や電子書籍についてのレクチャーを行う。

 

「20年後、図書館から本は消え、タブレット専用WiHiと座席しかない

ガランとしたスペースになる」

担当者は言った。

このスペースはそれに向けた実験だ。

デジタル全体.jpg

くりぬかれた大木の幹の様な物体が3つあって、その中がタブレット閲覧ブースになっている。

Tree 2.JPG

そして3本の幹と建物の柱の囲まれたスペースはカーテンを引くとレクチャースペースになる。

レクチャー使用以外の時は開放されていて、幹の周りは閲覧席になっている。

Tree 1.JPG

Room chair 0.JPG

今回は「開かれた個室」のつくり方がテーマである。

 

 

「とにかく席数を増やしたいのです、たとえばここ。」

Room chair 1.jpg担当の方の説明をうけながら、これは席数以前に「例えツッコミ」をしたくなる状況だと思った。

特急の座席かっ?   101匹ワンちゃんかっ?  左むけー左っ!かっ?

 

この配置をみたイタリアの著名な図書館プロデューサーは、そのユーモラスな並びの感動ショットを撮影し、「日本人は会話ベタから目線を合わせたくないので、これでいいのでは?」と皮肉をチクリ。

 

しかしここは日本。おしゃべりマニアが集うイタリアではない。

それで、捻り出したのがこれ↓

Room chair 2.jpg

眼線を合わせたくないなら、部屋にひきコモるべし。題してRoom chair。

古い椅子をリニューアルし、その脚を差し込める穴あきの床と間仕切りからなるユニットである。

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間隔が詰まるので席数は増えるし、人に包囲されても自分の世界にひきコモれる。

Room chair 3.jpg

おまけに睡眠もとれ、再び読書に邁進できるのだ。

Room chair 4.jpg

DSCF5242.JPGエントランスホールの傍らに、この様な一角があった。

児童図書の研究のためのスペースだが、利用度が低く

新たな空間利用のテーマと方法を検討した。

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この様になった。

壁はマガジンで覆い尽くされ、照明も新設された。

しかし、我々は既存の床・壁・天井には全く触れてはいない。

マガジン.jpg

「壁」のような家具をつくって、部屋の両サイドに設置しただけだ。

1ユニットには36の本が背表紙を見せて並ぶので、

36 × 6 = 216 種類のマガジンが一望できるスペースになった。

バックナンバーは足元に収納している。

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マニアにも、暇をつぶす方にも、十分耐えうる空間となった。

プロトタイプ.jpg京都竜安寺の石庭に座し、観想に耽る人は多い。

直線的な縁側には人がビッシリだ。

ある衝動が芽生えた。 

 - 庭に降りたい。そして石にすわらせろ、、、

 

こんな衝動からコンセプトが生まれることもある。

私の網膜には、確かに石庭の左端に具体的なカタチが映った。

ソファスケッチ.jpg

と、ここまではよかったが、この落書きを形にするのが大変だった。