漏斗1.jpg二つの直売所が一つに合体。

約50名の出資者である農家の方々には色んな考えや思いがある。

このプロジェクトが始まるときに我々の役割として「ロート 漏斗」という言葉が浮かんだ。

Goggってみると、、、

  粉体や液体を口径の広い部分に投入し、

  口径の狭い穴や筒から出す事で別の容器に効率良く移す為の道具

 

決して めった打ちされるサンドバッグではなく、ロートだ。この違いが大切。

毎回の打合せで発せられる多種多様雑多なご意見を、いったんは開いた耳から心に「投入し」

次回の打合せでは頭と手から計画案に「効率良く移す」、

そうゆう道具になろうと考えた。

1年半ロートに徹した結果、ようやく形が出来上がって来た。

そして我々のロートとしての役目はまだまだ続く。

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完成間近になっても、容赦なく意見が飛んでくる。

ひとつひとつを理解し噛み砕き、一問一答的に即応することは困難だが、

自分がロートであると考えると、どんどん流し込める。

そしてそれは必ず一つの形に収斂するのだ。

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幅20mの牛舎用カーテン、単管に支えられる販売台、落雪処理の屋根と壁の形状、

「赤=目立つ」というシンプルな発想、などなど

農業者の思いや考えは、我々というロートを介して、ひとつの建築に結実する。。。

はずだ。

いや、されるに違いない。

 

 

このプロジェクトは北海道/積丹半島/積丹町の移住定住促進動画の製作である。

積丹は国内屈指の低い人口密度と高い人口減少率を誇っている。

誇っている? いや、誇っていない。憂いている。もがいている。

しかし、自治体によるこの手の動画は世の中に溢れかえっている。

従って、設計事務所である我々がつくる意味が重要だ。

つまり、動画づくりのルールを一切しらない我々がつくる意味を実感しなければならない。

動画という疑わしい言葉を解剖しているうちに、すべてのムービーは

静止画の連続から出来ているという事実にたどり着いた。

連写0.jpg

写真家 星野麻美さんとともに積丹半島を静止画として「切取る」旅がはじまった。

2016年8月から2017年1月にかけ、撮りためたカットは6000枚になった。

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次に考えたのは、どのようにカットを連続させるか。。。

一番単純なのは次のような方法だろう。

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カメラを固定し、微妙に動く対象を連写する。

連続再生してみると、波の動きで中々近づけない恋人たちのジレンマが映し出されている。

 

次は、カメラを動かし、その間に対象を操作するという方法。

クレイアニメの手法である。

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これは建築をヴィジュアルとして取り扱うのには可能性のある方法だ。

その他、時間や季節をまたいだ定点撮影、長時間露出などを試みた。

北海道映像記録社の協力で、ビデオによる動画も同時に撮影した。

素材は売るほど手に入った。編集に入れる。

と、ここまではよかった。

大きな問題がに気付いた、、、

動画づくりのルールを無視している我々の落とし穴、、

シナリオがなかったのだ!!!

かくして、地獄の日々がはじまった。

ヴォーリズは校舎のありとあらゆるところにグラフィックパターンを貼り付けた。

まるで呪文のように。

それらは無限に繰り返されても飽きないどころか、訪れた者への秘密のささやき

の様でもある。

 

我々はその「ささやき」を丁寧になぞることからはじめた。

写経という東洋の業を通じて、西洋の伝道の核心を体得する試みだといえる。

 

実際は、楽しいからやるのだが、、、

 

 

まずはステンシル(型抜き)によるパターン。

色ノリは均一だが、カタチと色と隙間がリズミカルだ。

 

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次はタイルワークによるパターン。

陶器であるため、焼成による色むらやグラデーションが活かされている。

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ウィンドウパターン。アーチを並列、相似、複合させて展開している。 

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色や形や素材を駆使して、ここまで多様なパターンを編み出すのはcrazyだ。

もはや、ささやきというより福音だ。

 

事業提案①.jpgコンペがあり、p.b.Vは企画設計の立場で事業チームの一員として参加した。

①市所有地を民間事業者が借りる②そこに建物をつくる③出来たフロアを市が賃貸する

というすこし複雑な関係のプロジェクトである。

土地は地域の永久資産、一方建物は期限資産という行政のコンセプトに基づいている。

 

企画設計チームの我々の役目は「ローコストで楽しい」を創り出すことだ。

そのために二つの方針をたてた。

・外形を単純にすること。→まるでジョイフルAK

・内部を複雑にすること。→まるで鶴橋商店街

 

図書館を中心に子供の遊び場、保健センター、地域活動支援オフィス、クッキングスタジオ

フィットネスクラブ、屋内運動場、コンビニが同心円状に連続する。

 

間仕切り壁は本棚になっていて、各ゾーンのゲートには関係する書籍が並んでいる。

子供の遊び場にはキッズ本、クッキングスタジオ前にはレシピ―本、、、というように。

 

事業的な効果、建築のアイデア、空間の運用力から審査され

応募3案から我々の案が採択された。

 

コンペはコンペ、提案がどこまで実体になるかはわからないが、館内を歩くとこんな感じである。

↓ ↓

  事業提案②.jpg

事業提案③.jpg

事業提案④.jpg 事業提案⑤.jpg 事業提案⑥.jpg 事業提案⑦.jpg 

白いお神酒.jpg

たくさんの農業経営者の方々と夜な夜な議論を重ね、ようやく地鎮祭にごぎつけた。

地鎮祭は通過儀礼とはいえ、つかの間の幸福感を与えてくれる大切な機会である。

杯の代わりに配られたのは牛乳瓶だった。

野菜の直売所といっても、この地には大きな酪農経営者の方々もいらっしゃるのだ。

 

白いお神酒2.jpg瓶にはsince1917と印字されていた。

この篠津の地に人が来たのは1881年。

前身の直売所の創業が1997 年。

1881年の頃の地図を行政のHPから借用すると、、、 白いお神酒3.jpg

新しい直売所の建設地は赤の矢印のところ。

このプロジェクトは、川を挟んだ二つの直売所の統合から始まっているが、

そのルーツがすでに地図には表現されていた。

1917(瓶印字)をながめながら

1881(村拓年)を夢想し

1997(創業年)がp.b.Vの創業とほぼ同じであることに興味を抱き

2016(統合年)がスムーズに運ぶよう祈った。

 

中央図書館  1Antonello_da_Messina.jpgある妄想がこのプロジェクトを導いた。

 ― どんなに大きな空間も「点の力」で全体を活性化できる。

点とは、建築より小さいく家具より大きな存在。

 

画は「点」のイメージソースとなったもので、15世紀の僧の書斎である。

(St.Jerome in his study by Antonella da Mesina) 

札幌中央図書館のロビーと閲覧を合わせた面積は6000㎡であるが

ツボを抑えて的確に「点」をデザインすれば、利用者の感性を刺激し

ライブラリアン(館員)魂に火がつくと考えた。

 

 


このプロジェクトでは多くの家具がつくられた。

石ころみたいなもの、切り株みたいなもの、塔のようなもの、

柵の様なもの、部屋のようなもの、、、

全てが、とらえどころのないアイデアからはじまり、実体になった。

その途中の段階に位置し、輪郭や寸法に確信を与え、

館員や職人を鼓舞し、発注者の期待をあおり続けたもの。

それがモデル。

題して、モデル展! ご覧ください。 

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模型⑭.jpg 模型⑪.jpg 模型⑩.jpg 模型⑨.JPG 模型①.JPG 模型②.JPG 模型③.JPG 模型⑤.JPG 模型⑥.JPG 模型⑧.JPG 

 

利用者の欲求、館員のリクエスト、事務方の目論み、製作条件、コスト、、、

目もくらむほどの複雑な情報が封じ込められたもの、それが図面。

題して「図面展」。ご覧ください。

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図面②.jpg 図面③.jpg 図面④.jpg 図面⑤.jpg 図面⑥.jpg 図面⑦.jpg 図面⑧.jpg 図面⑨.jpg 図面⑩.jpg 図面⑩-2.jpg 図面⑪.jpg

モデルから製作へ。

黙々と作業に没頭する職人。

こんなん出来るかっ!的なトーンの職人。

冷静に製作方法を捻り出す職人。

事件は工場で起こっている!!

題して「工場展」。 ご覧ください。

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ロビーの片隅に都市札幌の構想者佐賀藩士島義勇(よしたけ)の銅像が立っている。

銅像の眼差しは、構想のために自ら登った円山の頂部に向けられている。

実際に建設された大都市の真ん中に立ち、構想時の自分を見返すという複雑な関係性になっている。

三角形のタイルが貼り巡らされた床を原野に見立て、そこに開拓の生活基点を配するのが

コンセプトである。

 

 

原野の生活基盤1.jpg

 

 

 

まず、開拓キャプテン島の足元を照らす行燈 兼 コーヒーテーブル。

島自筆の文字が開拓コンセプトとして彫り抜かれている。

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背後には松明(たいまつ)兼カウンターテーブル

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原野には資材置き場 兼 ベンチ 兼 ワークテーブル 小さな建築.jpg

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その他、情報やコミュニケーションのための生活基点 

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このプロジェクトを総括すると、殺風景な市庁舎ロビーを、ユーザーや職員のための

居心地の良い中間領域として機能させるために、

食事や休息や談話のために必要な機能を効率よく点在させる試みである。

 

本体の構造や設備や仕上げにはノータッチで、工場から運び込まれて

わずか2日間で組み上げられた。

実際の原野開拓に負けないくらいのスピード感が、デザインの方向を決めている。