2015年5月アーカイブ

Canto Ostinato

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Canto Osinato 1.jpgCantoは歌。Ostinatoは反復。

Canto Ostinatoはオランダ人の作曲家Simeon ten Holtによるピアノ連弾のための楽曲である。

2秒弱のシンプルな旋律が延々と反復される。

 

どれくらい繰り返されるのか?

2時間から24時間、それは演者の体調とノリ次第。

 

あなたが着席すると、4台のピアノと照明器具がセッティングされている。

演奏は静かに静かにはじまる。

それはまるで、朝陽とともに暗闇から姿を現す「波」の様である。

 

 

Canto Osinato 02.jpg

 

時間の経過とともに旋律は強弱を帯び、

南中の陽光と波が幸せそうに戯れる光景を思わせる。

 

  「一度たりとも同じ波なんて無いんだ!!そうだ。そうだ。。。 」

あなたは海を眺めながら、かつて一度はこう思った発見をここでも繰り返す。 

 

恋人とのこと、探し物の心配、今晩の食事、健康診断の結果など

日常の些末なことも脳裏を去来する。

さらに時間は経過する。

 

Canto Osinato  03.jpg一時間以上を経て、旋律は直射日光の熱を冷ますように沈静化し、

同時に雑多な感情は消え、再び旋律に神経が集中しはじめる。

そして、いよいよ曲の収束を予感が。

 

照明器具は開演時から、実はゆっくりと輝度を下げており、

気付けばすっかり暗くなり、日没の最後の一滴を残すのみとなった。

ついに光も音もフェイドアウトし演者も消える。

 

2015年3月11日 私はこの楽曲を向井山朋子さんの演奏で聴いた。

3.11、寄せては返す波動への想いを新たにしながら。

 

Canto Ostinatoはyou tubeでも体験できます。

一切何もせず、反復に身を委ねてください。

時間の流れ自体には何の意味もなく、歴史や記憶を創り出しているのは

人間であると気付くのです。

     美の巨人たちかっ!?

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