1st.ROOM

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ホッカイドウの北西部サロベツ原野にたたずみ目を細める。標識や小屋など点在する人工物は姿を消し、風景の全ては天空・山並み・地面に還元される。それらは天井・壁・床で囲まれた空間のようである。都市では決して見ることの出来ない人間を包む「最初の部屋」が姿を現す瞬間なのだ。それを1st.ROOMと名付けたい。

全ての建築は人間と1st.ROOMの間に介在する。だから建築は1st.ROOMへの果てしない増築行為なのだ。

人間は丸腰では1st.ROOMを生き抜くことはできない。だから山を割き、路を引き、田畑を巡らし、集落や都市をつくる。その結果、人間は物理的にも社会的にもたくさんのキグルミをまとうことになる。かくして日常からは1st.ROOMは完全に消失し、建築が不断の増築行為の延長上にあることも見えなくなる。

サロベツ原野は建築の未来を「冴えた増築案」として語り始める。ようこそ1st.ROOMへ。いざ、入室されたし。