book

たま~に、取り組んでいる仕事を冊子にまとめる機会がある。
ベストショットと美文が並ぶ作品集ではなく、取り組みの「全体像をありのまま」伝えるためのものだ。
しかし「全体像をありのままに」表現するのは案外難しい。
カッコ良く見せたい。ハイレベルに見せたい。そんな色気がどこかにあるからだ。
それは悪いことではないが、コンテンツが長持ちするためには飾りを漂白して主題だけを提示する必要がある。
そのために関係チーム全体で何度も何度も編集作業を重ねる。
たった一つのテーマを、カッコをつけずに、楽観的に、勇気をもって、アツく、、

小さな建築  2011
自費でつくったもの。
東北の大災害の後、「大きくて重い」建築の始末の悪さを実感し、
「小さくて軽い」建築の在り方や作り方についてまとめたものである。
この冊子をまとめるために振り絞ったアイデアは、設計する対象が大きくなって来た今、
「部分的に密度を上げることで全体を活き活きさせる」 という考え方の原資になっている。


超・過疎化力 シャコタン 2017
過疎化対策に苦戦する行政からの依頼でつくった。
積丹半島を題材に、過疎化が今後「替えの効かない価値」をもつという逆説についてまとめている。
取材対象は人、自然、暮らし、歴史、サービスなど多岐に渡るが、建築に関する記事は全体の5%くらいだ。
それでも極端な過疎化が建築やレジャーをはじめとする様々な分野に好影響を与えるという「聞きなれないストーリー」について熱く語っている。このストーリーは10年後には当たり前になっているに違いない。

「えにあす」コンセプトBOOK 2018
設計クライアントの依頼によりつくった。
「事業性と公共性は水と油ではない」という今日的なテーマについてのごく簡単なマニュアルだ。
民間投資による公共的な建築の事業や運営の仕組みについて全体の90%を充てた。
建築そのものの説明にはほとんど紙面を割いてない。
数年後、「事業性と公共性」についての可能性と課題の物差しになっているだろう。

お金をかけてbookにするということには二つの意味がある。
一つ目は、現在の営業ツールとして。
二つ目は、未来の自分への手紙として。

だから「ありのまま」が重要になってくる。N.F