日本歌謡史上、最もナンセンスかつ深淵なこの歌は1939年に
川田義雄(戦後、晴久に改名)によりつくられた。
私は、この歌詞が建築の魅力を表現していると考えてきた。
日々の忙しさやストレスの中にあっても、、、
- 今日も元気に、地球の上で朝を迎え
- 裏半分の人々は夜の闇に包まれている
そんなことをイメージして日々を過ごせたら、なんと幸せなことだろう。
いい建築、いい部屋はそれを経験させてくれるものだと信じて
日々仕事に向き合っている。
しかし、それを実現するのはなかなか難しい。
過日、ル・コルビュジェの建築群が世界遺産に登録されると公表された。
私は、この大巨匠のつくったいくつかの建築で一夜を過ごし、
♪地球の上に朝が来る~ その裏側は夜だろう~♪
を体感したことがある。
時々刻々変化する大きな排気塔の影が、地球の朝と夜の境界を演出してくれる。
この体験後、24時間滞在できる建築物の重要性を考えるようになって来た。
今回の世界遺産登録には上野の国立西洋美術館も含まれているのは
喜ばしいことだが、残念ながら美術館に24時間滞在することは出来ない。
ぜひアートに囲まれた宿泊イベントを敢行して頂きたいものだ。
学生時代に学んだ巨匠の有名で難解でキザすぎる言葉
「建築とは光と量塊の壮麗なる戯れである」
を自分の糧にする気にはならなかったが、
♪地球の上に朝が来る~ その裏側は夜だろう~♪
なら、すんなり腹に落ちたことを覚えている。
師匠とは、色んなところに潜んでいるものである。
そしてp.b.Vが展開しているKro(デンマーク語で旅籠)プロジェクトは、
♪地球の上に朝が来る~ その裏側は夜だろう~♪
を体感するためのものである。N.F