Crazy四国 ②

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温泉町の小料理屋で出会ったFさんは「伊賀焼」の極意をアツく語った。

酔いと焼き物についての無知から、私にはFさんが何を伝えようとしているのか

理解できなかった。

 

次の日、前夜のかすかな記憶をたどってその方の工房を訪ねた。

 

山の斜面に貼り付けるように民家を移築したその空間は室内なのか戸外なのか

判別のつかない不思議な雰囲気だった。

 

グレート四国2-①.jpg

そしてお気に入りの一品と窯の内部。

なんと窯の中の耐火煉瓦は溶けて鍾乳洞の様に怪しく黒光りしている。

 

 

伊賀から取り寄せた土をこね、2000度を超える窯に20日間ほど入れる。

過度に焼かれることで、土は溶岩の様に変成し、釉薬を使わないのに

不思議な色と光沢と質感が表れる。

 

Fさんは繰り返す。

「土が溶けて痩せるまで焼くのです。」

「土は痩せるのです。痩せてこそなのです。」

 

実験的に毎年少しずつ焼く日数を増やして20日にまで到達した。

 

常識を超えた温度と時間に耐えられるものは少なく、

生まれ変わって出てくるものは800焼いても1%ほど。

あとは壊れるらしい。

 

土が痩せるくらい、窯が溶けて壊れるくらい焼く。

Wao Crazy!

N.F

 

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