奇跡のパス

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軌跡のパス ①.jpgp.b.Vのオフィスは2003年より、この築50年ほどのビルの3階にある。

地下はカラオケパブ、1階はJAZZ喫茶、2階は洋食屋という構成だ。

我々の発想の源は、この雑居ビルでの日常生活からその多くを頂いている。

特に2階の洋食屋  「キッチン館(やかた)」  は欠かせない存在で

p.b.Vの社食といっても過言ではない。

 

飲みたいときは旬の魚が、空腹のときにはお任せ盛りが、

ほとんど阿吽の呼吸で出てくる。

箸を進めながら、店主や客人たちとバカ話に没頭するうちに

仕事の課題解決の糸口がつかめるという、好都合な塩梅になっている。 

軌跡のパス ②.jpg

6年ほど前、そんな幸せな日常に危機が訪れた。

     店主高齢につき、店仕舞い。

どうやって存続させるべきか? 店の経営とは無関係の私もなぜか毎晩の様に激論に参加した。

店主からは 「後継者が見つからない場合はp.b.Vで引き受けてくれないか、、、」

みたいな意味不明の暴論まで飛び出した。

しかし、奇跡は起きた。ホテルレストランを退職したMさんが引き受けてくれた。

店名「キッチン館」もそのまま、メニューもそのまま。

かくしてp.b.Vの社食消滅の危機は回避され、幸せな日常は担保されたのだ。

 

しかし、しかし、危機は忘れたころにまたまたやって来る。

     店主高齢につき、店仕舞い。

こんどこそ社食消滅かと諦めかけた時、奇跡は再現された。

有名レストランで修業を重ねた敏腕料理人Yさんが引き継ぐことになった。

しかも、店名「キッチン館」も再び継承された。

 

この日は、奇跡のパスをつないだ3人が初めて揃った。 軌跡のパス ③.jpg

写真の右から左に、奇跡のパスはつながれた。

初代と2代目、2代目と3代目はそれぞれ昔の師匠と弟子の関係。

初代と3代目は、初対面。

 

私はラグビーのゲームにおいて、幾多の奇跡的なパスを目撃してきたが、

ランキング1位は文句なく、この 「キッチン館のパス」。

 

余談だが、「キッチン館」という屋号は初代店主の苗字である館田(たてだ)に由来している。

約50年前、店主はビルの2階という立地に不安を感じながらも、

繁盛を祈願して命名したことだろう。

経営権だけではなく、創業時の不安や希望までもがパスされたのである。

N.F

 

 

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