2014年2月アーカイブ

100%と壊れながら成長する.jpg
またまた意味不明のタイトルになってしまった。ご容赦を。。。
 
約1年あまり、当社生産力の数%を「紙袋」の開発に注いできた。
「包んで守る」という意味では建築の原点だと考えている。
 
浅草の金森製袋紙工社とのマニアックな打合せを重ねるうちに
「包んで守る」という以外に「壊れながら成長する紙袋」という、
建築にはないアイデアに到達したのはよかったが、そのことで同時に技術的な壁に激突してしまった。
 
紙袋というのはタタまれた状態から膨らむとき、紙の折り目に複雑な力が加わる。
よく観察すると一瞬「壊れながら成長」するのだ。
 
この破壊に耐えるためには紙の繊維が長くて粘りを備えている必要がある。
短くてモロい繊維で出来た紙の場合は「壊れながら」の変形には耐えられない。

そんな小難しいことを1年くらい考えていたら、知人から100%再生紙の工場を
紹介された。
〇〇偽装が大流行のさ中、「100%」を宣言する企業に興味を持った。
ものづくりの出発点は、「信じる」こと。
「100%」を信じるためには実際に生産の現場にお伺いするしかない。
 
ここは静岡県富士市の大二製紙社の工場。
雑誌の裁断端材や回収雑誌を、真っサラの雑誌用印刷紙として再生している。
富士山が見守っているような立地にある工場を非常に丁寧に案内して頂いた。
 
インクを抜き、紙を溶かして、繊維だけをろ過する。
「紙は繊維そのもの」といえるから、繊維こそが砂金だ。
丁寧に何度もろ過して、繊維だけを取り出すのが工程の前半のキモだ。
 
工程の後半で、繊維を含んだ水溶液が熱風乾燥し美しいロールになって
現れた時、私は「100%」を信じることができた。
 
一見ゴミのような原材料が、真新しいロールになるという
錬金術のような再生紙を紙袋に活かしたいところなのだが、
再生を何度も繰り返すため紙の繊維は非常に短くなり、袋の変形には
耐える力がなさそうだ。
 
しかし。。。
ものづくりは「信じる」ことから始まる。
弱い部分があるなら筋トレだ。それでダメならテーピンングだ。
もし怪我したらギブスをはめるんだ。

まあ、こんな風にブツブツいいながら漸進するしかない。
 
アート作品の様な高価な一品ものの紙袋ではなく、
構造体として汎用性のある紙袋。
 
大二製紙の皆さんありがとうございました。
紹介いただいた「水曜どうでしょう」プロデューサーF氏にも感謝。
 
N.F