2013年11月アーカイブ

手がける

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「今、何を手がけられていますか?」
 
この問いかけは手強いし、返答に詰まる。
答えようによっては会話が発展するが、空振りすれば気まずい。
 
「〇〇に美術館と、××にホテルを手がけております。」
なんて調子よく答えたら
「それは、ご活躍で。」
となり、ゲームオーバー。
 
「手がける」とは単に具体的な業務種別を問いかけているのではない。
その人の息の長ーいテーマを相手は知りたいのだ。
だから、繁盛自慢はアウト。
 
 
時の天皇から
「あんたは何をてがけているのじゃ?」
と、問われた空海は
「宇宙でごじゃる」
と答えた。(とか答えなかったとか)
 
「う、宇宙!?お前大丈夫かあ? じゃあそれをつくってみなされ。」
ということで東寺の造営を請け負った。
 
「手がける」ものを問われたら、それくらいCRAZYに打ち返したい。
 
とっさに出てくるものではないので、日ごろから答えを用意し磨いておかなければ
大きなことを言えばいうほど恥をかく。
 
シンプルに、わかり易く、奥が深い。
そんな答え。
 
空海にならって答えの準備をしようと思うのだが、
まったく思いつかない私である。
 
写真は東寺講堂に出来た「宇宙」。
建築物には趣向を凝らさず、高精度のイコンを並べて
宇宙の見取り図がデザインされている。

そんなことを考えているうちに、仕事の山が築かれる。
このままでは「宇宙」どころか
「年越し」さえも「手がける」ことが出来ない。
N.F

1 + 1

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「別れ」のあとは「出会い」の話である。 
 
誰かがいった。 
 
「1+1は創造のはじまり」 
 
「たった二つ」のモノの関係を強く意識した瞬間から、そこに何が生まれる。
「1+1」に集中し想像をたくましくすることで、自らを妄想に追い込み、
ついに形は結実するのだ。
 
だから「1」だけでは生まれ得ない。
 
仏師なら、木塊と刃。
料理人なら、清水と塩。
塾講師ならホワイトボードとマジック。

それ以上還元しえない「1+1」に、すがりついたとき
ものづくりの重い扉が開かれる。
  
 
近年ホッカイドウで繁殖するエゾシカを、人間の生命活動の循環に
取り込むためのPRツールをつくった。

今回我々がしがみついたのは、「シカ革とカバ材」である。
 
30センチ角の革にレースで形押模様をつけて、高分子コーティングをほどこした。
可愛イイっ! ゴージャス! 
色んなものに応用可能な素材になった。
名付けるとすれば「レザータイル」。

24Kの高瀬季里子さんとの協働作業。
 
 
カバ材は床材の不良在庫を利用したものである。
スライスし、縦横に積層することで幅の広い板材に化けた。
これもウッドタイルと呼べるくらいの展開力がありそうだ。
 
というわけで、確かで頼れる「1+1」を何とかカタチにできたわけだ。 

食肉や皮革など、資源としてのエゾシカのPRブースとして
地産食材のお店で鎮座している。  
N.F 


出会うために。

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「出会いは別れのはじまり」・・・うーん、そうだろうか?そんなんでいいのか? 
 
「別れは出会いのはじまり」・・・これはシックリ来る。
 
大切な人、愛用の品々、住み慣れた家。あるいは仕事の流儀。
どんな理由であれ、壊滅の瞬間は激痛が走る。
 
激痛に耐える自信とその後の展開が測れないから何とか温存を試みる。
 
人間関係や地位への執着。建築物保存運動などまさにコレ。
 
「出会いは別れのはじまり」という受け身の姿勢が、往生際の振る舞いに現れてしまうのだ。
周囲が見ている。
 
「別れは出会いのはじまり」であるという意識に覚醒し、攻めに転じた時、激痛はその後の展開への興味にとって変わるのだ。 
これにも、周囲は反応する。
 
どっちが漸進のキッカケになるか、明白だ。
 
 
お別れをした次の瞬間に景色が変わる。それがさらなる出会いを誘発する。
そういう順番が心理というものだから。
 
執着ばかりでは、視野はひろがらんよ。
温存なんて続かないんだから。ほんまに。
 
 
そんなことを考えて、仕事場の体制や環境を変えてみた。
愛着のあったcafe me,We.のインテリアは閉店後2年ほど「温存」していたが
会議スペースとして模様替えした。 
 
言葉には出来ないくらい、執着と愛着の堆積した空間だったが
それが漸進を阻んでいることに気づいたから変えてみた。
 
フロア全体の使い勝手も変えたのよ。フレッシュな毎日だわ!
 (なぜかこの口調がシックリきますので。)

「別れは出会いのはじまり」を実感した次第です。
 
 
-結局、部屋の模様替えの話かい?
-そうですが。
 
-ていうか、あんまり変わっとらんのー!?
-そうでしょうか?
 
お立ち寄りください。N.F