2013年4月アーカイブ

三方良し

|
三方良し①.jpg
先日、「環境にやさしい紙」についてのトレンドを勉強するために紙の専門店にいった。
まったく知識がないため、店員さんに質問を連発していたら1時間も長居をしてしまった。
 
「どの紙が一番環境にやさしいんですか?」
ミもフタもヒネリもない質問にも表情を変えずに、その女性は適格に答えてくれた。

「どの観点で測るかですね。」
 
つまり資源再利用なのか、低炭素生産なのか、とうきびなどの廃棄物有効利用なのか、
自然エネルギーを使った生産なのか。
 
どれも一長一短だが共通しているのは「環境にやさしい」紙は高い。
 
「環境にいいから金を出せということですか?」
女性の表情は微動だにしなかった。
 
「たとえばこんな紙はどうでしょう?」
涼しい顔で次々に魅力的な質感の紙のサンプルを私の前に並べた。
 
「この厚みと質感は、もはや銘木ですねー、紙と木の境界なんてないですねー」
などとイイ気になって評論していたら、その紙の単価は目が飛び出るほどだった。
 
しかし、私はその紙で何かをつくってみたいと心底思った。
 
 
三方良しとは有名な近江商人の心得である。
「売り手良し」「買い手良し」それに合わせて「世間良し」。
 
今は死語だが「WIN-WINな関係」というセリフがはやった。
つまり売り手と買い手の間の利益最大化である。
三方良しはWIN-WINに加えて、社会的な貢献度も取引に伴わせるという心得だ。
 
  
「引きながらも押してくる」女性店員に私は近江商人の片鱗を見たのだった。
 
冷静に引いていられるのも、いざとなったら押しにかかれるのも、
自らの仕事の背景に「世間良し」があるという、
静かに燃えたぎる使命と自信が煮えたぎっているからではないのか!
ええ店員さんよっ!?

・・・・
 
そんな余計なことを考えているから1時間も使うんです。N.F

写真
 左は環境素材をつかった超厚口の紙
 右はクラフト紙のニューモデル 

戦況報告

|
実験経過.jpg
ホームページのリニューアルが大体出来てきたのでアップした。
過去と向き合うこの種の作業はなかなか苦痛を伴った。
 
何をやってきたか? + どこへ向かうのか? → 組織としてのアピールポイント
 
この方程式を導き出すまでの苦痛といってもいい。 
 
 
10年前、東京から拠点移動し、札幌都心のザ昭和的雑居ビルの3階にオフィスを借りた。
 
数年間放置されていたままの事務室に入ったときの不思議な感覚は今も神経に刻まれている。

「どっかで会いましたっけ?」的な懐かしさと、いか様にでも化けそうな無防備さ。
 
とにかく、イジリどころ満載だったのだ。 
それから7年間で3度にわたる空間的な手術を施した。
 
同じビルでご商売をしている先輩方からも、「一体、何がしたいの?」と
やさしいお言葉をいただいた。
 
しかし、気付けば今ではこのビルの4テナントの中で年齢はさておき私が一番の古株となった。

それでも「一体何がしたいの?」と今後も言われ続けたい。 
 
 
手術には目的があった。
 
ビルの3階の扉を開いて、人を導きいれ、人と出会い、
そこからさまざまな事件を創り出すための空間的仕掛けを探ったのだ。
 
明確な方向性や計画や思惑なんてなし。
ものづくりに従事する人間として、仕事の範疇を完全に逸脱していたといえる。
 
しかし、この空間で人や地域とアツくも少し危険な繋がりを持つことができた。
このことが私の建築への理解力を鍛え上げ、また都市の持つ魔力と付き合う知恵も
与えてくれたのだ。
 
ホームページのリニューアルに伴う苦痛は、このオフィスとともに歩んだ
短くも濃密な戦況を反芻せざるを得なかったことに起因する。
 
最終的な反省や総括は遠い将来にやるとして、
10年目の戦況報告を断片的に言葉にするなら。。。
 
 ・認め合うには時間がかかる。
 ・混乱をおそれてはいけない。
 
あまりに断片的すぎて申し訳ない。m(_ _)m
N.F

book of book

|
本の本.jpg
今をさかのぼること1万余年。ある男が洞窟に絵を描き始めた。
コヤツは文字も紙もない時代に何かを表現し伝えたくなったのだ。
 
これがすべての始まりだ。この絵以前の人の手による記録は地上にはない。
洞窟の絵がやがてはアートになり文学になり建築になったのだ。
 
私はコヤツのことが気になって仕方がない。
顔も名前も知らないが、とても他人に思えない。
 
この気持ちをおさえられず、コヤツのことを絵本にすることにした。
 
作家先生も建築家先生も彫刻家先生も画家先生も
番記者も生花の師匠もお茶の宗匠も家具職人も
グラフィックデザイナーも庭師も映画監督も写真家も
 
表現を性(サガ)とするCrazyの血統はコヤツからはじまった。
 
この絵本は数か月後にはデジタルメディアで札幌の図書館で一般公開される。
私の他にも4人の方が絵本をつくる。

どの方も私が厳選させて頂いたCrazyで、洞窟に絵を描いたヤツの血を引く。

図書館についての全国全世界の話題は最近よく耳にする。

しかし一番大切なのはシステムや経営委託などの問題ではなく
「知りたい」「見たい」「書きたい」「つくりたい」「伝えたい」
そういうCrazyが集う場にするアイデアと行動なのだ。 

 
さあ、ストーリーを考えよう!思い切って絵にしてみよう!
 
絵本なんて描いたことはないけどネ!!N.F 
 
 
写真は私が描く絵本の第1巻のファーストページ。
洞窟の絵が徐々に現在の本の姿に変化するというスジガキなのだが。。。