2013年1月アーカイブ

建築 VS 紙袋

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浅草折.JPG
我々は街や都市という大きな対象について考え、悩み、行動してきた。
その一方で、どこまで「建築を小さくできるか」にも試行錯誤をしてきた。
 
「小さな建築」はその小ささ故に、大きな産業分野と結びつく可能性があるからだ。
 
これは本当に難しく、我々にとって未知の領域に踏み込むようなものだったが
ようやくその扉が開かれようとしている。
 
東京都の高い技術力をもつ中小企業を再生するためのデザインとビジネス化を
リードする11社の内のひとつにp.b.Vは選ばれた。
 
題して東京ビジネスデザインアワード。明日はその最終プレゼンだ。
 
我々が取り組むのは「紙袋」の伝統技術。
 
紙袋を「小さな建築」ととらえた時、何が生まれるか?
 
そして、完全な建築として紙袋をプレゼンすることなど可能なのだろうか?
 
最近、プレゼンでは「頭の中、大丈夫ですか?」的な反応に、かなり鈍感になっている。
それどころか「おおっ、ウケている!」と勘違いする始末。
全くこまったもんだ。
 
 
六本木ミッドタウン 14:00 キックオフ。
N.F
 
写真は 浅草で創業55年金森製袋紙工社の伝統的な技術と
建築の構造を融合したパイロットモデル。
残念ながら全貌はお見せできない。
 

内なるストーリー

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内なるストーリー.jpg
不安で不安で仕方のない時がある。
作業がはかどっているとか、いないとか。そんなことには全く関係がない。
 
心の中に「ストーリー」がないとき。
 
それが不安の理由だ。
 
多くの人を巻き込み、その渦の中に己も飛び込む、そのようなヘビーなプロジェクトの場合
一番重要なのは「内なるストーリー」だ。
 
たくさんの立場や領域にまたがるならば、妥協や混乱、闘争などは頻発する。
踏まれても罵られても漸進する原動力、それが「内なるストーリー」である。
 
アツイだけの情熱とか冷徹な分析力とは違う。
デザインコンセプトなんていう、エエかっこしいの後付理由でもない。
 
無邪気で、シンプルで、ばかげてて、楽しすぎる、
そんな到達点に向かうための筋書きだといえる。
 
だから、あんまり人様に公言は出来ないが、プロジェクトが息詰まるような局面を
迎えた時、勇気をもって「小出し」にしてみる。
 
「あなた、頭のネジがはずれたのですか?」的な表情をされるが
次の瞬間には「まあ、最悪そのセンで!」的な明るさが訪れる。
 
そういう経験が幾度もあった。
2段階くらい思い切ったギアチェンジでチーム全体の
意識転換を促すために「内なるストーリ」が必要なのだ。
 
少々ぎこちないデザインや脱線加減のアイデアも「内なるストーリ」の中で
生気をもち、チーム内で受け入れられる。
 
だから、ストーリーのない時が不安なのです。
絶やさないように、絶えませんように。
 
ストーリーの畑を耕し続ける日々がつづく。 N.F
 
 
 
写真は完成を間近に控える、札幌中央図書館ロビーのリノベーションの
打合せ風景。
 
工場に置かれた、木の固まりのような杉のテーブル。
 
太古の文字に囲まれて座るカフェ空間のスタディー。

その他、色んなアイデアが「内なるストーリー」の中で育まれ発酵し受入れられ実現した。
 

 

 

冬休の宿題.JPG
暮れのご挨拶もできないまま2013が始まり、気がつけば冬休みの宿題が提出期限となった。
 
2冊の本、数度目の再読をした。どちらも業界ツウの方にはバイブル的な著作である。

/粗い石
  1000年前、未踏の山中で教会を建築するのはこんなにも大変だったんですね。
  屋根瓦をつくるにも、炉が必要だ。
  それにはまず煉瓦を積まなければ。
  でも煉瓦をつくるのに粘土と石灰の採取小屋を立てなければ。
  では採取小屋の建材はどこから・・・
  勘弁してください。キリがありません。

/世界ラグビー基礎知識
  180年前、偶発的に生まれたマイナーゲームはこうして英国から世界に広まったんですね。
  それにしても取材が細かすぎます。
  〇〇年〇月、〇〇さんがああしたこうした。でも実際は逆だった、、、云々
  ここでいう「基礎」とは「事実」をとことん追求する姿勢を意味するのですね。
  楽しむためとはいえ、この基礎トレ、私には身につきそうにはありません。
 
 
数本の映画を観た。
 
/モダンタイムス
  3秒に1回、無言のギャグを連発するこの映画の脚本はどう書かれているのでしょう?
  言語無用で90分のストーリーを展開させる、その根性にまいりました。
  チャップリンさん、師匠と呼ばせてください。
 
/ミレニアム3部作
  ストーリーが複雑な場合、人は何を頼りに頭を整理しているかが理解できました。
  まずは登場人物の名前と顔。つぎに風景。
  しかし、スウェーデン人の名前はほとんど覚えられない。
  そしてスウェーデンの風景はどこも美しいため、違いが認識しにくい。
  では映画づくりとしてそれをどう克服したか?
  非常に興味深い解決方法でした。
 

 
/唐獅子牡丹
  記憶に残りやすい風景・・・神社。路地。大谷石採掘場。
  記憶に残りやすい名前・・・花田秀次郎(高倉健)
  記憶に残りやすい言葉・・・「死んでもらいます」
 
  スウェーデンの人々にはどう映るのか。。。

  
 
 以上、今回はきっちり提出させてもらいます。N.F