2011年11月アーカイブ

システム

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神戸女子.jpg
歴史上すごい勢いで世界中に広まったものはたくさんあるが、キリスト教やフットボールはその最上位を占める。
 
遠くはなれた場所まで物事を広めるにはシステムが必要だ。クレージーでアツいやつらが一人や二人いても無理。 

 
 
個と集団を統制するシステム。言うが易し、行うは難し。
 
システムってなんなの?近視眼志向の私には考えれば考えるほどわからない。 
 
 
というわけで(?)関西屈指の「お嬢学校」、神戸女学院を見学させて頂いた。
品良く丁寧に設計された建築物が丘陵地に棟を並べ、全体的にはクラシックな避暑地の雰囲気を漂わせている。
 
キレイな女子学生さんについ気をとられながらも、半日にわたって当校の建築の魅力や歴史的な逸話をじっくり伺った。 
 
二人の女性宣教師が明治初期に開いた私塾が、ここまで濃厚なキャンパスに発展するためには多くの「人材と資金」が必要だ。
 
「それらはどこから?」
「アメリカ本国の布教組織から。」
 
布教成立の背景には強力な伝道システムがあったのだ。
よくできた建築群も、デザインが突出することなく伝道システムの一つとして納まっている。
 
人も建築もひとつのシステムの下にひざまずきコウベを垂れている、そのような謙虚さと凄みを感じた。 
 
 
さて、案内をして頂いた方が私にいった。
 
「大切なのは未来に向けた一枚の絵。」
「一枚の絵?」
 
「歴史の分だけ多様な立場や考えがある。」
「お察しします。」
 
「それらを束ねる一枚の絵です。」
「なるほど。」
 
 
「創基・発展・成熟」を経た今、つぎに求められるのは「維持・更新のサイクル」だ。 
 
 
 
一枚かあ。かっこええなー。三枚やったらあかんやろなー。むずかしそうやなー。
 
 
なーんて、つぶやきながら、キレイな女子大生さんと短い車中をともにしました。❤N.F

ファイナルQ! 3

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デートコース.jpg
 
「デートコースのつくりかたは?」
声高に問うのは、おフザケに聞こえるかもしれない。
 
しかし、これは「街のツクリ」にとってはファイナルクエスチョンだ。
 
いくら安全安心でも退屈だったら人は集まらない。
デートコース度の高い街ほど人は集まる。
 
 
最近の大阪が「水都」を掲げて川を主役にイメージアップをしていることは知っていた。
しかし、水上バスやポンポン船から街がどう見えるかは知らなかった。
 
で、乗ってみた。
新旧の橋、城、公園、建物が次々に現れる。
頭や心の中にある大阪とは全く違う場面展開がある。
 
船内のカップルは展開する風景に釘づけになる。 
川べりに点在するカフェのカップルもこちらを向いて手を振っている。
 
~ちょっとした冒険のようにワクワクしながら
~見える対象に共感とツッコミをいれながら 

 
デートスポットでは「お互い向き合う」が

デートコース上では「同じ方を向く」
 
 
本気で考えてみたい。
 
ファイナルQ デートコースのつくり方は? N.F
 
 
   

ファイナルQ  2

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DVW.jpg
かつて私の知人からご亭主の暴力について聞かされたことがある。
DV(=ドメスティック・バイオレンス)というやつだが、
最近は交際中に起きるDVが増加しており、これをデートDVというらしい。
 
情愛と暴力という一見相反する状況が同時進行するから
被害者にとって自覚しにくいのが解決を困難にしている。
 
むずかしい原因はわからないが、きっと若い奴らにとって
いいデートコースが無いに違いないという考えに至った。

暴力は男女の「向き合いすぎ」から生まれる。
デートコース上では同じ方向に歩むので「向き合いすぎ」の時間は発生しにくい。
 
今こそ、デートスポットではなくデートコースを!!
 

写真は・・・
札幌市Lプラザ内情報センターで開催中のDVに関するイベントのものである。
 
リノベーションを当社で行ったこともあり、イベントのための
簡単なインスタレーションを大きな透明フィルムをつかって設計した。
 
DVのシンボルカラーを使った紫色の球体を大量に浮かせ、暴力の漸進的消滅を祈願し
徐々に光の中に消えていくようなデザインにした。
 
 
それはいいとして、、、で、デートコースのつくりかたは?N.F

 

おお、主よ!

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神戸女学院.jpg
数年前テレビで見かけた映像が頭から離れなかった。
 
白い天井と梁に描かれたカラフルな模様。 

「なんでそんな所に絵が描けるのか!」
「しかも色合いが可愛らしすぎるぞ!」
 
 
そのセンスの良さに嫉妬の塊になってしまった。

 
一度は見てみたいと思っていたが躊躇した。
なぜか?名門女学院だったから。下町派の私には、なんか、なーんか、敷居が高かったのだ。
 
 
しかし今回、ある縁が私を「女の園」へ導いてくれた。

 
  
 
案内して頂いたのは学校職員の方で、当校のOGでもある。 
お会いした瞬間に「主=あるじ」のオーラを感じた。
 
 
「主」は約4時間にわたり建築の細部や歴史について「語りまくった」
 
私はスッポリと女学院の奥深い時空間に引きずり込まれた。
 
かたちの意味、つかいやすさ、つかいにくさ、布教のための戦略、戦争中の記憶、天皇行啓、阪神大震災の記憶・・・
 

縁をつくってくださった大学関係者は私に話した。 
 
・建築には布教力がある。
・「語り部」の資質は。
・キリスト布教戦略は「初期投資」をケチらなかったこと。

ファイナルQ 

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FQ1.jpg
ファイナルアンサーなんてあてにならない。状況が変われば「答え」は通用しないから。
 
我々が求めるのはファイナルクエスチョン。
本当に単純な問いこそ前進のエネルギーだ。
 
 
私用で帰阪したついでに、今抱えているいくつかのQを持参した。どれもが発展途上で、ファイナルに向かって成長させたい。
 
まず最初のQは・・・ 
 
  「近くを遠くに感じるには?」だ。
 
これは現在進行中の難しいインテリアの設計で生まれたQである。
 
 
 
ここは京都の超有名な石庭、龍安寺。 
どこから見ても石が一つ足りないことで知られている。カップルも外人も夢中で石を数えている。
 
今回の私には石を勘定している余裕はまったくない。
 
閉門30分前に滑り込み、庭を囲む土塀の奥行感を確認しにきた。
 
平らなはずの壁が持つ奥行感はすごい。
壁の中へ連れ込まれそうだ。
 
 
壁をにらんでいるうち
 
  「近くを遠くに感じるには?」
  
     は
 
  「平面上に奥行をつくる技術とは?」

 
という具体的かつ矛盾をはらんだQに成長した。 
 
無数のアンサーが生まれそうだ。
 
少なくともファイナルアンサーなんて存在しない。
 
 
・・・と、いい気になっていたら、まわりから人が消えていた。

 
「門、閉めまっしぇ~。はよ帰んなはれ。」
 
世界遺産の広い境内は真っ暗で、脱出するのに苦労した。N.F