2011年1月アーカイブ

木造に告ぐ!

|
外観.jpg
私は、怒っている。
  
「木造よ、いつから、
     そんなに気難しいヤツになったんだっ!」
  

3年前より、木造の増築設計基準が馬鹿げたほど難しくなっている。
 

「簡便に、素早く、安価に」増改築を繰り返すことで
状況の変化に追従するのが「日本の木造」なのだ。
 
それは木材の持つ地産性、柔軟性、加工容易性によるものである。
 
そして日本の津々浦々でスクラップ&ビルドを回避しながら、
微妙で複雑な街並みや雰囲気を醸造してきた。
  
blanc cafe は密閉していた屋根裏に増床し、テラスが飛び出す。
ただそれだけのために、構造的な解析が求められる。
既存骨組みの補強方法などは、新築より面倒だ。  
  
10年前、蒟蒻畑に建ち上がった大屋根が
「最小の設計」で「最大の変貌」をとげるまで
もう少しの辛抱だ。
  
♪辛抱、我慢。
♪辛抱、我慢。
♪辛抱、我慢。
  
これ、どんなメロディーよっ。  
  
私は、怒っている。  
N.F
  

人生の中の1日

|
人生の1日.jpg
今、我々は3つのプロジェクトを同時期に「離陸」させようと日夜、もがいている。
平常より少し緊張感のあるこの頃、昨日は目まぐるしい1日だった。
 
10:00 作業開始。 
 
11:30 オフィス家具メーカーの知人がフラリと来社。
    空中に立体モデルを映写する技術開発を宣伝。
    ・・・なぜ家具メーカーが映像?
 
13:00 恩師が来社。トンカツを食べようと誘われた。
    事務所の下階にある洋食屋で、トンカツで会食。
    ・・・なぜトンカツ?
 
14:00 目前に迫った会合の目まぐるしい人数調整。
    ・・・なぜ前日に増減?
 
16:00 設計中のプロジェクト案に改善点発生!
    急遽、協力コンサルと改善案の検討。
    ・・・たいへーん。
     
19:00 クライアントの社長が突然来社。
    企業としての将来構想を伺う。
    ・・・お仕事、ちょうだーい。
 
20:00 ある行政の方から、営繕工事の件で相談。
    ・・・お困りの様で、、
 
21:00 引き続き改善案の検討。
    ・・・おおっ!見えてきた。
 
22:00 コンビに買出し。
    どん兵衛、うどんと蕎麦を取り違えて買う。
    ・・・痛すぎ。
 
24:00 引き続き改善案の検討。
    ・・・ひらめいたっ!
 
25:00 終了。
    ・・・はあー。かえろ、かえろ。
  
波状に押し寄せる局面との闘いだった。
忙殺というより、変転という感じだった。
 
傍観者になるな。体を張ろう。
でも冷静に操縦桿を握ろう!
  
まあ、こんな1日もいいものです。たまには。
  
っていうか、こんなときにブログ書いてる場合か? 
  
作業台にあるもの。
図面、杉板破片、電卓、極太マジック、道路マップ、
模型、野菜ジュース、クッキーの缶、人工芝サンプル、
利尻昆布粉末。
・・・なんで、利尻昆布??
N.F

  

 
つくらない.jpg
「小ささ」を信じる我々の究極の目標は「つくらない」で「つくる」ことである。
 
なんだか、禅問答みたいだが・・・
 
 
依頼者に同じゴリヤクがあるのなら、設計対象は小さく少ない方がいいに決まっている。 
 
  
そして、稚内でのプロジェクトは限りなくそれに接近した。
 
  
国内最北という過酷な「気候」。
湾と鉄道と山が併走する緊張感あふれる「地勢」。
海の彼方から働くロシアの「磁力」。 
  
数ヶ月に渡り現地を取材した結論は、「つくらずに集める」ことだった。
 
気候、地勢、磁力が生み出した街のアイテムを集めるだけで、建築を体現してみようと考えたのである。 
新しくデザインするものは殆ど無い。

  
   
プロジェクト依頼者の呼びかけで「集まった」のは・・・

造船用鋼鈑、米海軍照明、小学校の鉄筋イス、
大煙突、昭和の照明器具、旧駅舎の一部、
ゴルフの屋内練習場、古い和箪笥・・・。 
  
どれも、都市生活の洗礼を受け「自信満々」の表情だ。 
  
 
そしてp.b.Vの役割は最小限の加工と適切な配置を考え抜くことだ。
  
 

造船技術者や解体足場職人など、地元有志の力を結集して工事がはじまる。
 
  
そして、このビルリノベーションの目指すものとは
 
 「世界と向合って来た日本最北の都市、
        その輪郭をハッキリさせること。」
  
商店街の活性策や街づくりの目標も、輪郭がボケていては前進しないはずだ。
  
  
  
「つくらない」でも「つくれる」
 
 Fighting  without  fighting.
  
N.F


 
 
  
 

ホワイトアウト!!

|
大雪.JPG
土曜から月曜にかけて大雪がふった。
p.b.V併設のcafe me.We.には大きな窓がある。
外は白くて、道なんだか空き地なんだかわからない。

私は年に一度あるかないかのこのホワイトアウトした風景が好きだ。
色んな境界線がなくなるからだ。
街中にあっても「無」な感じがカッコイイと思う。
  
去年、私が南大阪の丘陵から連れてきた埴輪親子に聞いてみた。
 
私「寒いですか?」
父「かないませんわ」
母「あんた、寒がりやから」
子「でも、雪ってカッコええなー」

私「皆さんは、いつ頃の人なんですか?」
父「紀元4,5世紀くらいちゃうんかなー。覚えてないけど」
母「あんた、すぐ忘れるから」
子「昔の風景はカッコよかったよー」

私「へえー、あっそう!?」
子「そうや。地面がバーっと連続してんねん」

私「それ、わかる。今日みたいに大雪の日みたいにね?」
子「そうや、なんの線もないもん」
父「寒い。。。もう帰ろ」
母「あんた、気みじかいから」
  
大雪の朝は痛快である。
我々は無抵抗に「音も線も無い状況」を受け入れる。
 
でも、それは我々が建築物を大量生産する前の
「初期値」を実感する貴重な瞬間でもあるのだ。
  
埴輪の子も現代の都市にあって、それを感じたのかも知れない。
  
大渋滞、列車ダイヤの混乱、除雪の重労働。
何かと大変だが、あれもこれも、それもみんな含めて、
気持ちと体を鍛えるチャンスだ。
  
N.F

謹賀新年

|
金剛さま.jpg
奈良東大寺は南大門に聳え立つ金剛力士像。
  
力強すぎるし、それに「デカい」。
 
記録によると、わずか2ヶ月ほどで彫り上げられた。
 
デカさを支配したものは「寄木」という冴えたアイデアだ。 

8メートルを超える巨体も、実は小さなピースから出来ている。
  
複雑で微妙な全体のフォルムも、ピースを交換するだけで調整可能となる。  
 

  
  
どこまで、確かな「小ささ」と向き合えるか。
  
  
  
未知のデカさに挑む冴えと謙虚さを、
チーム運慶から頂きながら
我々の2011がはじまった。
N.F