2010年12月アーカイブ

年末社内会議

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社内座談.jpg

我々の業務において、一年間というサイクルに特別な意味はない。
だけど「ククる」ことは大切だ。
 
ただし、ダレた総括にならないために視点がいる。

それは「入力」。つくるために何をチカラとするかが我々には重要なのだ。

では、はじめてみたい。

社 長:今年、我々には何が「入力」になりましたか?
副 社:一連の工場取材。
社 員:そうですね。はじめて触れる生産現場、刺激的でした。

社 長:たくさんマワッタなー。
副 社:ステンレス加工、森林組合、ベニヤ、断熱材、建具、鉄工・・・
社 員:木工、特殊印刷、中央卸売市場。

社 長:どれもが刺激的な「入力」だったけど、何が生まれましたか?
副 社:質問力。工場長を質問責め、みたいな。
社 員:私は「入力」の凄さにおされ気味で質問が「出力」できませんでした。

社 長:まぁまぁよろしいやないか。来年気張りなはれ。他には?
副 社:押しかけた工場や企業と結果的に仕事が生まれた。これは確かな「出力」。
社 長:机では発想不能の技術的なアイデアが、生産現場からのヒントで形になった。
社 員:デザインセンスだけに頼らない設計過程がとても新鮮で明快でした。

社 長:世の中には眠れる技術がまだたくさんあることを実感しましたね。 他に?
副 社:東京のシェアハウスの事例取材。
社 員:かんかん森、東電+リビタ。共同生活の生々しさを感じましたね。
社 長:東京と北海道で住宅事情は違うから、これは単純に「出力」には直結しにくいね。
 
社 員:void巡礼のための古地図や写真のトレースも強烈な「入力」でした。
副 社:なんか毎日、筋トレみたいに地道な作業だった。
社 長:void巡礼については当初「出力」は期待して無かった。
    手と頭の筋トレ。ラグビーの基礎練みたいに。
副 社:でも、公共プロジェクトにおいて「出力」しはじめた。
社 員:設計コンセプトや政策提言として少しずつ育ちはじめましたね。
社 長:大切なことは手から心へ、そして出力につながるのでしょう。まさに写経。
  
社 長:日本の最北、稚内の方と仕事が始まったことも「入力」。
副 社:街の成り立ちや雰囲気、人々から貴重な「入力」を頂きました。
社 員:void巡礼の筋トレが、p.b.Vの感度を上げてますね! 
 
社 長:色んな街の建築と「冴えと謙虚さ」で向き合いたい。今年の実感です。

副 社:10年前につくったblanc cafeの改築依頼も励みになりましたよね。
社 長:10年前に「出力」した建築が、今度は「入力」となる。建築の仕事として非常に魅力を感じるよね。
社 員:出来上がったら、伝説のパスタとガトーショコラが食べたいでスーっ!  
 
一 同、深くうなずく。

 

その他、公開できない進行案件も多々あるが、いえることは 
今年のp.b.Vの仕事は「入力」にエネルギーを投じたということである。
 
「入力」オーバー気味の現状は、きっと来年には確かで力強い「出力」に転じることだろう。
それを社員一同、信じることにしている。 
  
しかし、山積する年末業務を「出力」しないと、歳は暮れてはくれません。
  
キビシーいっ!
  
   
今年一年、day by dayを読んでいただいた皆様にも、2011年が良い年でありますように。  
  
               2010年 〆
 



屋根裏に告ぐ!2

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屋根裏に告ぐ2.jpg

きっかり10年前の初冬、
群馬の山あい、利根川と赤城山を望むこんにゃく畑に囲まれた建築現場で
確かに屋根裏空間が「封印」されるのを見た。
  
そして今、その屋根裏が開封される。
  
blanc cafe。10年前はその場所がわからず、
たどり着けない人もいたという。
しかし、その辺鄙さを力として今では知られる存在だ。
  
経営者は築後10年を迎える今年、次なる10年を模索して
ついに屋根裏の「開封」を考えた。  
  
我々は封印された屋根裏に魂を吹き込む作業を開始した。
  
全体として「デカい」とはいえない容量だが、それでも
確かな「小ささ」を求めた設計が終わろうとしている。
  
あとは建築現場で屋根裏のお目覚めを待つばかりである。
N.F

大きさを支配する・ストーブ.jpg
シジョウを動かしているのは魚でもシステムでもなく、まぎれもなく人間だ。
猛暑や厳寒においては労働効率も意欲も下がる。
それが現実の人間だ。
 
ここで強力な武器が登場する。
ダイヤ冷機製の遠赤外線ストーブ。
  
暖房機具を冷機会社がつくっている所がヒネリが効いている。
  
外気が0度のこの朝の内気温は8度。 
 
心と体を常に「動かして」おくならば耐えられる気温だ。
  
しかし、立ち止まってセリ値を熟考するには寒い。
そこにストーブが「採暖と思考と会話のツール」として
ポジショニングしている。  
  
まあ、寒いから必要だという単純な理由からストーブがあるのだが、
結果的には大空間の中で「効いて」いるのだ。 
  
カート → ナガレ
セ リ → タマリ
ストーブ→ ヨドミ 
 
ナガレ・タマリ・ヨドミという「小ささ」の連鎖が大切なのだ。
13万㎡はその連鎖が集合して活気をもつ。 
  
「デカさ」を支配するためには、確かな「小ささ」を発想するしかない。 
  
と、カッコはつけてみたが・・・
猛暑の夏はどうなんだろう??
エアコン?・・・役に立たないでしょうー。
氷?・・・あるかも。柱みたいにして。

まだまだ、奥が深いです。魚の世界。
N.F

大きさを支配する・競り.jpg
シジョウといえばセリ。セリこそが「活気」の象徴である。
  
デカい空間のあちらこちらでセリが多発する。離合集散する人、人、人。
その構成メンバーは恐らく半分くらいは重なってはいる。  
 
だが短時間で目まぐるしく場所が動いて行くので、実人数よりも
見掛け人数の方が多く感じる。  
 
搬入から卸しを経て、仲買にモノが移動する時にこのイベントが介在する。

「モノ、人、カネ、意識」の移動の動力源となるイベントなのだ。滞ることは許されない。
そこに「シジョウといえばセリ」という雰囲気と緊張感が生まれる。
  
離合集散する人影の裏側にあるシステムを見極めれば、活気の
秘訣を掴み取ることができる。
  
そして「落された」鮮魚は手際よく梱包され、符丁・屋号・品名・行き先・容量
などのタグをまとって搬送用カートで動いていく。
  
気まぐれで混沌とした活気の要因がようやく整理されてきた。
・・・きがする。
N.F
  
  

大きさを支配する・モバイル.jpg
「ハイ、そこ、どいて、どいてーっ!」
場内をたくさんの搬送用カートが走り回る。
  
ヘッドがドラムの様な形で、エンジン+タンク+ハンドル+駆動輪が一体となっている。
狭いコーナーを走り抜けるには、非常に優れたデザインである。
  
搬送用カートが動くということは「モノ、人、カネ、意識」が移動することを意味する。
早朝5時より始まる市場は7時には終了しなければならない。
それ以降は場外へと商品を送り出すタイトな流通工程が控えているからだ。  
  
「活気」とは、ある時間内に「モノ、人、カネ、意識」を動かすという
プレッシャーのもとに生まれるのだ。  
  
じっくり、ゆっくり、じわーっ。
そんなノン気な状況では活気は生まれない。
  
「ハイ、そこ、どいて、どいてーっ!」
 
小さな点でも、轢かれそうなそのスピード感が「デカさ」を支配する秘訣なのだ。
N.F
大きさを支配する.jpg
人はどこまで大きな空間を支配できるか・・・
  
p.b.Vの「大きな」問いである。
手掛かりを求めて札幌中央卸売市場を見学させていただいた。
  
13万㎡。これを小さいというやつはヘソまがりか理屈やだろう。
  
深夜2時から動き出す大容量の空間に「街みたいだ」の例えは芸がない。
  
デカさが活き活きしている様にはきっと原因があるはずだ。
  
「ここは市場だ」というアタマを白紙にして歩いてみた。 
  
大空間の活気はチョット見では、気まぐれで無秩序のように見える。
だが・・・
  
・搬入→陳列→梱包→搬出という人とモノの「ナガレ」
・競りや入札という「タマリ」
・その工程の中で派生する「ヨドミ」
 
この三つの視点で整理すると、活気の要因は見出せる。
そしてそこには大容量の中にあって「輝くような小ささ」が存在していた。  
  
「デカさ」を支配するための確かな「小ささ」。
 
 
戦後、人間が自ら作り出した大容量の空間。それらの倒産や撤退を巡る再生の話題は全国で見聞きする。  
その多くが、デザインの「鮮度」やソフトの「妙」で話題になることが多いが、
その前に考え抜かなければならないことがある。
  
 
  
数回にわたり考えてみたい。
N.F